帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「それぞれの今」

「それぞれの今」
ウルトラマンタイガ』第9話
2019年8月31日放送(第9話)
脚本 三浦有為子
監督 武居正能

 

戦略星人キール星人
身長 200cm
体重 84kg
ヴィラン・ギルドの構成員で行方マイコが持つタリスマンを狙うがホマレに倒される。

 

殺戮宇宙人ヒュプナス
身長 180cm
体重 75kg
ヴィラン・ギルドの構成員で行方マイコが持つタリスマンを狙うが復活したマジャッパのマジャッパ水流を受けて倒された。

 

水異怪獣マジャッパ
身長 62m
体重 6万2千t
行方マイコが持つタリスマンに封印されていた怪獣。
マジャッパ水流、マジャッパ芳香、マジャッパ吸引、マジャッパ迷彩と多彩な技を持つが行方マイコに能力のいくつかを破られ、最後はフォトンアースのオーラムストリウムで倒された。

 

物語
ホマレとヒロユキはヴィラン・ギルドに追われている女性を保護する。
実は彼女はホマレの幼馴染みである行方マイコであった。

 

感想
ヒロユキ「先輩、今日こそは勝ちますからね!」、
ホマレ「そういうのは一回ぐらい勝ってから言えって、熱血バカ」。
いや、一回も勝っていないから「今日こそ勝つ」と言えるんじゃないの?

 

宇宙人や怪獣の損害による保険は無いのかと言う話が出て、生命保険会社からE.G.I.S.に宇宙人による犯罪被害の実態調査の依頼が来る。
ウルトラシリーズは宇宙人や怪獣によって毎週のように被害が出るのでこう言う話は十分にあり得るのだが、子供に保険の話は難しいのか取り上げられる事は少ない。

 

マイコに仕事の話を切り出すカナさんが胡散臭すぎるw
カナは従来の特別チームの隊長に当たる人物なのだが、E.G.I.S.は民間の会社でお金が必要だからかお金が絡んだ時の態度が他の隊長と大きく違っている。

 

ヒロユキは「魔の山へ!!」でのアイドルに浮かれたり今回の話でのホマレと幼馴染みの仲をからかったりしている姿を見ると、主人公として中心にドンといるタイプではなくて、従来の作品だと主人公の後輩とかにいるタイプなのかなと思う。

 

マイコによると8年前のホマレは他人や世界を拒絶しているようだったらしい。
幼馴染みだったマイコがその姿にショックを受けたと言う事は子供の頃のホマレは宇宙人ギャング時代のような荒んだ雰囲気は無かったと言う事なのだろう。ホマレの過去に何があったのか気になる。

 

今回の話でマジャッパが登場した事で『オーブ』に登場した魔王獣の素体となった怪獣が全て登場した事になる。ゼットンパンドン、グランドキング、ガタノゾーアは過去の作品に登場していたが、グエバッサーは『R/B』でマジャッパは『タイガ』での登場となった。このように次回作以降で設定の補完が出来るのが今のウルトラシリーズの強みの一つ。

 

生まれ変わりと子孫と言う違いはあるけれど、昔にある女性が怪獣を封じて現在でその力を継ぐ女性が怪獣を復活させてしまうと言うのが前回の天王寺藍と被る。

 

今回の話はホマレから見たら「マイコは地球人だと思っていたら実は宇宙人の子孫だった」で、マイコから見たら「ホマレは地球人だと思っていたら実は宇宙人だった」となっている。『タイガ』の地球だとこのような「実は身近に宇宙人や宇宙人の関係者がいた」と言う話がたくさんあるんだろうな。
マイコのような「宇宙人の子孫」まで含めると『タイガ』の地球に暮らしている宇宙人関係者の数は更に増える事になるだろう。こうなるともう「地球人」と「宇宙人」を区別する事に意味なんて無くなるのかもしれない。
昔のウルトラシリーズでは宇宙人は「特別」で「珍しい」存在だったのだが『タイガ』ではそんな宇宙人も既に「特別」でも「珍しく」も無い存在になってきている。そして今までのウルトラシリーズでは宇宙人は「外から来た者」であったが『タイガ』では「既に内にいる者」となっている。この辺りの変化は日本における外国人の存在の変化が関わっているのかな。

 

マイコが宇宙人の子孫だと知った婚約者の「マイコはマイコだよ」やホマレが正体を明かした時のカナの「ホマレはホマレだよ」は『セブン』の「史上最大の侵略 後編」でアンヌ隊員が言った「人間であろうと宇宙人であろうとダンはダンに変わりないじゃない」を思い出す。やはり『タイガ』はテーマ的に『セブン』や『レオ』を継ぐ作品と言える。

 

ホマレが遂に自分が宇宙人である事を告白したが皆の反応を見ると以前から薄々気付いていた感じ。このような「あの人が宇宙人だと分かってはいるが、あえて話題にしないようにしている地球人」と言うケースも『タイガ』の地球ではたくさんありそう。

 

ホマレが自分が宇宙人だと告白する場面はややコミカルにされているが、あの生身で宇宙人をボコれる人物が自分の正体を告白するのにあれだけキョドってしまうと言うのは「人にとって一番怖いのは何か」が分かる場面になっているとも言える。

 

ホマレが今まで自分の正体を隠してきたのはやはり現在の地球で自分の正体が宇宙人であると告白するのはリスクが大きい事であったのだろう。実際、今回の話の冒頭で宇宙人による損害が酷くて保険会社が対応を迫られると言う話があった。相手が宇宙人でもそれを受け入れるのはE.G.I.S.やマイコの婚約者と言った「その人の身近な人物」に今はまだ限られるのであろう。

 

これまでのウルトラシリーズでは主人公達が自分は普通の人間ではないと告白するのは「別れ」を意味する事が多かったが今回のホマレは「E.G.I.S.の皆との暮らしを続けていく為に自分の正体を明かす」と言う逆のパターンになっていた。

 

脚本の三浦さんはこの後に『かいじゅうステップ ワンダバダ』の脚本を担当している。

 

 

*派遣先の「ZATOWN」は『T』の特別チーム・ZATが元ネタと思われる。(今回の派遣先の住所は「東京都一代田区1-1-1」になっているがZAT基地の住所は「東京都千代田区霞ヶ関1-1-1」)

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンタイガ』次回予告 第9話「それぞれの今」 "ULTRAMAN TAIGA" episode 9 Preview + Director interview !!

 

 

「負け犬の子 前編
『トライスクワッド ボイスドラマ』第9回
文芸 鶴田幸伸
演出 足木淳一郎

 

光の国やU40はその星に生まれた者がウルトラマンになれるのだがO-50は出身に関係無く誰でもウルトラマンになれる可能性がある。しかし、宇宙警備隊のような組織が無いのでウルトラマンになった者やなれなかった者へのフォローが出来ていないところがある。
その結果、ジャグラーを始めとして戦士の頂に関わった人物は幸せではない人生を送る事が多く、同じウルトラの力でも光の国やU40と違ってO-50はダークな雰囲気を纏う事となっている。

 

ボイスドラマで「戦士の頂に辿り着けなかった負け犬」の話があったが、途中で脱落した者がそういう風に周りから蔑まされると言う事は「戦士の頂に辿り着いたが光に選ばれなかった者」は周りからどのように見られるのかと考えるとジャグラーが歪んだ理由の一つが見えてくる。

 

もしガイがいなかったらジャグラーはどうなっていたかだが、今回のボイスドラマで語られたフーマの親のようになっていた可能性がある。何だかんだ言って今のジャグラーが生きている理由の一つはガイにあるので、もしガイがいなかったらジャグラーは生きる目的を見失って日々をただ過ごすだけになっていたかも。

 

今回のボイスドラマで語られたO-50の話はウルトラシリーズにとって画期的だった。実際に人型ではない存在がウルトラの力を手に入れる事が出来るのかどうかは不明のままだが、もし手に入れる事が出来るのなら今後は人型ではないウルトラマンも登場する可能性がある。(まぁ、本編以外だと「ウルトラニャン」とかが既にいるが) 


【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第9回「負け犬の子 前編」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode 9

 

 

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