帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「月面の戦士たち」

「月面の戦士たち」
ウルトラマンデッカー』第19話
2022年11月26日放送(第19話)
脚本 ハヤシナオキ
監督 坂本浩一

 

ウルトラマントリガー
身長 53m
体重 4万4千t
月面基地がスフィアの巣になっている事に対処する為に火星から出撃していた。
宇宙空間でデッカーがスフィアに取り込まれようとしているのを見て救出する。
火星でカナタの両親と会っていてメッセージを託されていた。
デッカーと力を合わせてヤプールとギャラクトロンMK2を倒すと地球の守りをカナタに託して自分は火星を守り抜く事を誓った。

 

警備ロボゾンボーグ兵
身長 190cm
体重 110kg
月面基地の警備ロボ。
既に使われなくなって放置されていたがヤプールによって動かされる。
かなりの数がいたが最終的にトリガーとデッカーによって倒された。
『ダイナ』当時のマスクを使っている。

 

異次元人ヤプール
身長 不明
体重 不明
暗黒から生まれし不滅の悪魔。
ゾンボーグ兵を使ってケンゴとカナタを追いつめるがスフィアに寄生されて自我を失うと最後はトリガーのゼペリオン光線とデッカーのセルジェンド光線を受けて消滅した。

 

精強宇宙球体スフィアソルジャー
全長 不明
重量 不明
シズマ財団とTPUが宇宙開拓の為に建設した月面基地を巣にしていた。
デッカー、ケンゴ、ヤプールに寄生して記憶を取り出して分析しようとする。
月面に置かれてあったギャラクトロンMK2に寄生して動かすがトリガーとデッカーによって倒された。

 

スフィアジャッジメンターギャラクトロンMK2
身長 61m
体重 6万7千t
キングジョーと共にスフィアが自分達の器にする為に用意していた機体。
トリガーとデッカーを追いつめるが最後はグリッタートリガーエタニティのデュアルグリッターゼペリオンブレイクとデッカー・ダイナミックタイプのデッカーフラッシュダイナミックで倒された。

 

物語
異次元から脱出したデッカーだがそこは宇宙でスフィアに乗っ取られそうになる。
絶体絶命の危機のデッカーを救ったのはトリガーだった。
スフィアの巣となった月面基地でケンゴとカナタはヤプールとスフィアと戦う。

 

感想
今回の舞台は月。
かつてシズマ財団とTPUが宇宙開拓の前線基地として月面に施設を建設していたが今は無人となった月面基地をスフィアが巣にしているらしい。
月は火星と違って空気が無いので一般市民が生活するのは難しくて火星の開発が進んだ後はあまり活用されなくなったのかな?

 

アキトの作戦に従って月面基地で活動していたケンゴ。
カナタとリュウモンの関係はケンゴとアキトの関係に近いところがあるが、アキトはケンゴがトリガーである事も知っていて作戦を立てられるのに対してリュウモンはカナタがデッカーである事をまだ教えられていないのであくまでGUTS-SELECTの仲間として作戦を立てる事になる。その為、カナタはウルトラマンに関する話をハネジロー以外に相談できる相手がいないので孤独になっている部分がある。そんなウルトラマンに関する話で相談できるケンゴの存在は今のカナタにとってかなり頼りになると思われる。

 

デッカーに変身したまま行方不明になってしまったカナタのアリバイ作りに悪戦苦闘するハネジロー。話が前後するが今回のハネジローの奮闘振りを見ると「ジャンブル・ロック」であっさりと自分の正体をバラしてしまったカナタを見てハネジローが「俺の努力を返せ……」と言いたくなるのも分かる。

 

「これから先、何かに迷う事があったら、あなたは自分の信じた道を行きなさい。望む明日は遙か彼方かもしれないけれど、あなたならきっと辿り着けるわ。あなたは私達の息子アスミ・カナタなんだから」。
「煎餅屋も地球も守りたいものは全部守ってやりな。じゃあ、頑張れよ、カナタ。じいちゃんにもよろしくな」。
『ダイナ』では光に消えたカズマが精神的な世界でアスカにメッセージを送る場面が何度かあったが『デッカー』では生きている両親が映像装置を使ってカナタにメッセージを送るとなっている。意外と『ダイナ』は精神的な話があったが『デッカー』はそういう要素はあまり無かった。
カナタの父親のメッセージはシンプルなものだがそれ故に分かりやすくてカナタの力となった。

 

『ダイナ』の「青春の光と影」ではヤマザキが作ったロックランドの警備兵士だったゾンボーグ兵が今回はシズマ財団とTPUの月面基地に配備されていた警備用ロボとして登場した。
『ダイナ』のゾンボーグ兵もヤマザキの裏切りが無かったらTPCの施設を警備していた可能性があったのかな?

 

今回のカナタとケンゴはゾンボーグ兵と戦いながらの変身となった。
特にカナタはバク転バク宙等も駆使したアクションがかなりカッコ良かった!

 

スフィアに寄生されて記憶を奪われ自我を失ったヤプール
しぶとさはウルトラシリーズトップであるが意外とやられる事が多いキャラクターでもある。
『ダイナ』や『デッカー』では地球がスフィアに取り込まれたらどうなるのか具体的に描かれる事は無かったが、それを今回の話でヤプールを使って見せたと言える。

 

前回はアガムスとヤプールが共闘していたが今回はスフィアとヤプールが共闘する事は無くカナタ達と三つ巴のような形になった。
ヤプールとスフィアが共闘するか、ここにアガムスが来てヤプールと共闘していたら、ひょっとしたらカナタ達に勝てた可能性もあるのだが、ヤプールとスフィアとアガムスはお互いを信頼していないので結局は共闘も崩壊していたかな。ここがカナタ達との大きな違い。

 

タイプチェンジするウルトラマンが二人いる時は似たタイプに変身して戦う事が多いが今回はミラクルタイプとパワータイプやストロングタイプとスカイタイプと言うようにあえて違うタイプの組み合わせになっていた。こうして見ると共闘回でのタイプチェンジの組み合わせパターンはまだまだたくさんある。

 

今回は『ダイナ』の『光の星の戦士たち』を思わせる二人のウルトラマンの共闘回。
やはり主題歌をバックにしてのヒーローの逆転劇は燃える!

 

先輩になったケンゴが実に頼もしい。
劇中では『トリガー』から8年が経過しているし火星は地球以上に状況が厳しいようなので劇中では描かれていない戦いの経験があるのかな。

 

結局のところアガムスはカナタの命を奪う事もデッカーがいない地球を滅ぼす事も出来ていないんだよな……。