帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「らごんさま」

「らごんさま」
ウルトラマンデッカー』第20話
2022年12月3日(第20話)
脚本 中野貴雄
監督 田口清隆

 

海底原人ラゴン
身長 子・150cm 大人・50m
体重 子・50kg 大人・2万t
ワダツミシティでは「らごんさま」と呼ばれている存在。
ハネジローの分析によると海棲爬虫類と類人猿の中間の性質を示すDNAを持っているらしい。
海の幸をもたらして漁業の安全を守り、それを信じない者には恐ろしい祟りが舞い降りると言う言い伝えがあり、村ではらごんさまの祭りを開いて奉納の舞を収めていた。
今の時代には出てきてはいけない存在として常世の国に通じる海女の岩戸に封印されていたがそれを破って復活した。浦澤ナギと一緒に常世の国に帰ろうとするがイチカとデッカーに阻まれ、最後はナギに手を振りながら消えていった。

 

物語
ワダツミシティでは正体不明の怪物に襲われる事件が起きていた。
調査を開始したイチカ郷土史家の浦澤ナギから「らごんさま」について話を聞く。

 

感想
クトゥルー神話との共通点が挙げられる事が多いラゴンの登場回で劇中でも「インスマス事件」「半人半魚の神ダゴン」「深きものども」と言ったクトゥルー神話の用語が出てくる。
ニュージェネレーションシリーズはホラー要素が少なめなのでクトゥルー神話的な話も少ないのだが『タイガ』の「魔の山へ!!」「悪魔を討て!」や今回の話のようにクトゥルー神話の要素を入れる時はかなりがっつり入れてくる。
90年代のウルトラシリーズ小中千昭さんが参加していた事もあってクトゥルー神話の要素が入った話が多かったので今回の話は『トリガー』『デッカー』の中で最も平成三部作っぽい雰囲気の話だったと言える。

 

ツーリングの設定を使ってイチカが地方の話に興味を抱くとしたのが上手かった。
『デッカー』は今回のような地方を舞台にした話は少なめであったが「破壊獣覚醒」に今回の話とイチカを使って地方の話を上手く説明していた。

 

今回は異色作と言う扱いなのか他とは違ったカットがあって印象に残る話になっている。

 

クトゥルー神話の要素がある話だったが「常世の国」と言う言葉が出てくるので海人族が登場する『星の伝説』を思い出す話でもあった。
90年代の頃だったらナギさんは海女の岩戸を通ってラゴンと一緒に常世の国に行ったと思われるので「常世の国は人間がいるべき場所ではない」としてイチカとデッカーがナギさんを人間社会に連れ戻したのは予想外で驚いた。
ナギさんは古(いにしえ)や人外と強く関わった浮世離れした人かと思いきや絵はがきの料金をちゃんと要求する俗っぽいところもあった。こういう話では古の価値観を持つ者と現代の価値観を持つ者が対立する構図になるのだがナギさんは古や人外と強く関わっていながら現代の人間社会にも適応していたので常世の国から戻ってきても大丈夫だったのかな。

 

今回のような土着の怪獣が出てくると昔のウルトラシリーズのようで懐かしい気分になる。

 

 

キリノ イチカの場合」
『GUTS-SELECT交流記 ~帰ってきた特務3課~』第3話
脚本 足木淳一郎
監督 村上裕介

 

本編に合わせてか、こちらも途中でちょっとホラーな雰囲気があっていつもとは違う映し方がされていた。

 

湖の食いしん坊」のユウコが再登場。
本編で宇宙人を再登場させるには物語において何かしら役割が無いといけないのだが本作だと事件が起きなくても過去回に登場した宇宙人を再登場させられるところがある。

 

マルゥルとナイゲルがメトロン星話で盛り上がるらしい。ナイゲルが雑談で盛り上がる姿ってちょっと想像できないなぁ。