帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「天空の激戦」

「天空の激戦」
ウルトラマンブレーザー』第21話
2023年12月9日放送(第21話)
脚本 根元歳三
監督 武居正能

 

月光怪獣デルタンダルB
身長 300m
体重 8万4千t
以前出現した個体の六倍の大きさを誇る。
特性から今回の個体は「デルタンダルB=Bomber(爆撃機)」と呼称され、以前に現れた個体は「デルタンダルF=Fighter(戦闘機)」と呼称される事となった。
地球防衛隊の電磁波実験が行われた海から現れて防衛隊の関連施設を襲撃していく。
最後はブレーザーによって大気圏の外に連れて行かれ、アースガロンMod.3とブレーザー・ファードランアーマーの連続攻撃で倒された。

 

物語
アースガロンMod.3の飛行実験を成功させられなかったヤスノブ隊員は次回の実験から外されてしまう。
一方、デルタンダルが再び出現し、上層部はアースガロンMod.3の出撃を命じる。

 

感想
重力制御による新たな推進システム・ウラヌスドライブが搭載されたアースガロンMod.3が登場。同じ原理で飛ぶデルタンダルを参考に開発が進められ、デルタンダルの最高速度マッハ9を目標としている。
今回は珍しく上層部がアースガロンMod.3の飛行実験を視察していた。自由自在に空中を動けるのはウルトラマンの特徴の一つなので、おそらく「脱ウルトラマンブレーザー」を考えている上層部にとってMod.3が成功してアースガロンが空中戦を行えるようになるのは大きな意味があったと思われる。

 

アースガロンは単独で怪獣を撃破した事が無い(「そびえ立つ恐怖」でイルーゴを撃破しているけれどその話のうちにイルーゴが再登場しちゃっている)ので、上層部からしたらSKaRDはアースガロンと言う技術の粋を集めて開発した機体を有しているのにそれに見合った活躍をしていないと言う認識になっているのかもしれない。例えばプロスポーツで戦力を補強したのに開幕からしばらく経っても勝ち星を挙げられていないチームがあったらフロントからのテコ入れが入ってしまうだろう。

 

実験を成功させられなくて外される事になったヤスノブ隊員は体力作りに励む。
侵略のオーロラ」で見られた梶原颯さん演じるヤスノブ隊員の筋肉を見たら体力に関しては問題が無いように思えるが内藤好美さん演じるアンリ隊員が比較対象だからなぁ……。

 

デルタンダルは同じ怪獣であるが大きさや能力の使い方を変える事で「F」「B」と別キャラクターにするのが面白かった。
メビウス』以降の再登場怪獣は過去に登場した個体の再現を目指しているところが多いが数が増えてきたので過去の個体との差別化を目指す方向に思い切り舵を切っても良いと思う。

 

「ヤスノブ隊員の実験・実戦への参加は認められない」と言う指示からゲント隊長が「移動だけなら文句が無いはず」として「緊急事態が発生した場合は現場判断」と合わせてヤスノブ隊員をアースガロンMod.3に搭乗させる抜け道を作るのが上手かった。
結局はアースガロンだけではデルタンダルBを倒す事が出来ないのでゲント隊長がブレーザーに変身して解決する事になるのだが、ドラマ部分を見ていると『ウルトラマンブレーザー』からウルトラマンブレーザーの要素を外してSKaRDだけで怪獣事件に対処すると言う形も見てみたかったなと思うところがある。(そうなるとウルトラシリーズと言うより『マイティジャック』に近くなりそうだが)

 

ハルノ参謀長が謹慎させられてからの展開を見るとハルノ参謀長は厳しく叱責はするけれど現場に余計な仕事が来ないようにしていたり現場の意見がすぐ通るようにしていたりと実は色々頑張っていた事が分かる。(と言うかハルノ参謀長が注意を済ませたので他の上層部の人間はSKaRDにアレコレ言う必要が無いと言う形にしていたと思われる)

 

以前にデルタンダルが登場した「月下の記憶」は夜が舞台で「予算とスケジュールがあるハリウッド作品でもCGや合成が多い回は夜が舞台である事があるから仕方が無いよね」と思っていたら今回の話が昼間が舞台になっていたのは驚きだった。

 

ヤスノブ隊員とアンリ隊員が主役だった今回の話は他の『ブレーザー』となんか違うなぁと感じたのだが、他のウルトラ作品ではよくある「隊員二人がメインの回」と言うのが『ブレーザー』では意外と少なかった事に気付いた。