「逃げない心」
『ウルトラマンオーブ』第5話
2016年8月6日放送（第5話）
脚本 小林弘利
監督 アベユーイチ
変身怪人ゼットン星人マドック
身長 2m
体重 60kg
オーブを倒して名を上げようとした宇宙人。
ガイを誘き出す為に真渡子と言う女子高生に変身してナオミを捕らえた。
高い格闘能力を誇る。電磁砲を使って戦う。
ハイパーゼットンデスサイズが倒されると自らガイと戦うが倒されてしまった。
宇宙恐竜ハイパーゼットンデスサイズ
身長 5m～70m
体重 500kg～4万t
オーブを倒す為にマドックが育てていた怪獣。
マドックの調査でオーブの攻撃に対応できるようになっている。
ハイパーゼットンテレポートとハイパーゼットンバリアーで情報の無いハリケーンスラッシュにも対応したが最後はオーブスラッガーランスのビッグバンスラストを受けて倒された。
物語
バイトを終えたナオミは「宇宙人を追っている」と訴える女子高生に会いに行く。
情報提供者の真渡子と一緒に建物の地下に向かったナオミはそこで怪獣を見付けるが……。
感想
セーラー服の女子高生に変身したゼットン星人マドック。
『初代マン』の「さらばウルトラマン」でゼットン星人はスーツを着た姿を見せているが、これは岩本博士に成りすます為のもので、ゼットン星人がいつも服を着ているかどうかは分からなかった。それが『マックス』の「ゼットンの娘」「恋するキングジョー」に登場した個体が服を着ていた事でゼットン星人は服を着る文化がある事が判明した。その後、「服を着る宇宙人」と言う設定は『ギンガS』と『X』に登場した派手なタキシードを着た個体と今回のセーラー服を着たマドックの登場で「コスプレをする宇宙人」と言うイメージに変わった。
同じキャラクターを何度も出す事で少しずつ設定やキャラが掘り下げられて変わっていくと言うのは長いシリーズを見ていく中での一つの楽しみでもある。
マドックが変身した女子高生の真渡子がナオミに電話を掛ける時に真渡子が隠れながら何かを追っている場面がある。真渡子の話はナオミを捕らえる為の嘘だったので、ナオミに見られない場所では真渡子は演技をする必要は無いのだけれど、そういうところでもちゃんと変身して演技をしているとは真面目と言うか無駄と言うか……。
今回シンが作ったのは未来予測システム。さり気に凄い事をやってのけている……。でも、この後に使われる事が無かったと言う事は完成はしなかったんだな。
因みに後の話で明らかになるが「太平風土記」の正体は予言の書と言う未来予測によって作られたものであった。
ガイが拾った人形の扱いでジェッタの面倒見の良さが分かる。
最初はただ騒がしい人物に見えたが実はかなりしっかりした人間である事が分かってきた。
今回の隠されたサブタイトルは『初代マン』の「来たのは誰だ」。今回の話との共通点は特に無いが、『初代マン』のケロニアもゼットン星人もスーツを着た状態で正体を現している。
ジェッタの電話に残されたナオミのメッセージを使って真渡子はガイを挑発する。
ここで真渡子は「クレナイ・ガイに伝えろ」と言っているが、ジェッタやシンや渋川は特にそこについて触れていない。よく見ると、真渡子の挑発の言葉の前にジェッタが渋川に電話を掛けているような場面があるので、真渡子の言葉は普通のメッセージではなく何か特殊な仕掛けによってガイにだけ伝わるよう細工されていたと思われる。
ハリケーンスラッシュはジャックとゼロの力で構成されている。
あまり接点が無い二人だが、ジャックが昭和を代表する武器使いなので武器を扱うハリケーンスラッシュに選ばれたと思われる。因みに『新列伝』の第151話「戦えウルトラ戦士！ 悪を切り裂く正義の刃！」で武器の扱いに関してはゼロよりジャックの方が上と言う描写がある。
又、セブンの母とジャックの妻（！？）とウルトラの母は姉妹と言う設定もあるので、一応、ジャックとゼロは親戚と言う事になる。
オーブとハイパーゼットンデスサイズの戦いはSSPの真上にテレポートして戦いを繰り広げる場面が面白かった。
ウルトラシリーズは本編と特撮の二つに分かれているので人間の場面とウルトラマンや怪獣の場面は区切られているところがあるのだが今回はその区切りを積極的に壊していた。
今回は巨大戦の後に人間大での戦いがあると言う珍しい展開になっている。
ガイは初代マンのウルトラフュージョンカードでマドックの攻撃を弾いた。ウルトラフュージョンカードはウルトラマン達の力を宿していると言う設定だがオーブリングを使わなくてもある程度の力は使えるようだ。
「いるべきじゃないところに居合わせる不注意の塊みたいな女」。
ガイのナオミ評だけれど実はこれはナターシャにも当てはまる。
マドックの目的はオーブを倒して名を上げる事。
ナオミ達に「地球のような腐りかけた星に侵略する価値があると思っているのか？」と告げ、「いつかこの星を捨てて逃げ出すだろう」と言い残して溶けてしまった。後にマガタノオロチの出現を察知して宇宙人達が地球を脱出する事になるが、さすがにこの時点でマドックがそこまで予測していたとは思えないので、『タイガ』の宇宙人達のように地球人に見切りを付けていたのかもしれない。
宇宙人を追って来た渋川さんをビックリさせてからかうガイ。
どちらかと言うとジャグラーの方が変と言うイメージがあるが、ガイの方も真顔でいきなり変な事をしたりする。
お礼においしいものを作ると言うナオミの言葉に反応するガイ。まるで餌付けのようだw
ナオミが作った特製マッシュルームスープに二度と味わえないと思っていた懐かしい味を感じたガイはしばらくSSPに世話になる事を決める。
