帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ゼットンの娘」

ゼットンの娘 -宇宙恐竜ゼットン 変身怪人ゼットン星人 ウルトラマンゼノン登場-
ウルトラマンマックス』第13話
2005年9月24日放送(第13話)
脚本 上原正三
監督 八木毅
特技監督 鈴木健二

 

変身怪人ゼットン星人
身長 ミクロ~190cm
体重 ミクロ~135kg
1万年前に地球にやって来て人類の一人にナノ遺伝子を植え付ける。ゼットンナノ遺伝子は人から人へ1万年かけてゆっくりと成長し、小田夏美と言う奇跡の娘へと結実した。
ゼットンの娘」となった夏美は高い身体能力と回復能力を発揮し、指から光線を発し、ゼットンビーム剣であらゆるものを斬り、さらにスキニング能力で情報を奪い取る。
ゼットン星人は夏美を使って監視衛星のデータを奪い取るとゼットン怪獣を地球に送り込んだ。

 

宇宙恐竜ゼットン
身長 66m
体重 5万3千t
ゼットン星人が呼び寄せた怪獣。
青い光球に包まれて夏美のいる下町に現れた。
火球で下町を破壊し、全方位をカバーしているゼットンシャッターであらゆる攻撃を跳ね返す。
ゼットンシャッターはマクシウムカノンやゼノニウムカノンでもヒビが入る程度であったが、最後にマックスが放ったギャラクシーカノンの前に粉砕された。

 

ウルトラマンゼノン
身長 ミクロ~47m
体重 3万6千t
マックスと同じ赤い光球に包まれて地球に出現した宇宙の勇者。
ゼットンと戦い、ゼノニウムカノンを放つがゼットンシャッターの前に敗れ去ってしまう。しかし、ゼノンが召喚したマックスギャラクシーはマックスの手に渡り、ゼットンを倒す事となった。
最後に4基の宇宙戦闘機が地球に襲来している事をマックスに告げた。
内山まもるさんの漫画『ザ・ウルトラマン』に登場したメロスの素顔をモデルにデザインされた。

 

物語
地球全体を監視衛星で覆う等、侵略者に対する備えを万全にしていく地球。
しかし、不敵にもゼットン星人はDASHに向けてマックスの敗北を宣言する。
一方、「ゼットンの娘」と名乗る謎の女性・小田夏美を調べる事になったカイトは……。

 

感想
今回のゲストである小田夏美は『Qdf』の「小町」に登場した小町がモデルで、夏美の周辺の人々の雰囲気やトラックにはねられる場面等は「小町」と殆ど同じとなっている。この話も上原さんと八木監督が担当していて長澤奈央さんがゲストを演じていた。

 

長澤さんが『忍風戦隊ハリケンジャー』に出演していたからか、ゼットン星人に憑依された夏美は何故か忍者服を着ている。

 

10年前の夏美は世界中の注目の的である超能力少女で、ヨシナガ教授達はその超能力を科学的に解明しようとしたが出来なかった。後にこの超能力の発現はゼットンナノ遺伝子の不完全な覚醒によるものだったと説明される。
超能力の解明実験の場面は千里眼の女性の話を思い出す。

 

下町の場面では凄いくらいに良く出来た娘さんである夏美の姿が見られる。
しかし、8歳から新聞配達をして病気の母親を看病し、14歳で母親が亡くなってからは一人暮らしをしているとか、今も近所のおばさんの看病をしているとか、さすがにちょっとあざとすぎる。
ゼットン星人に憑依されて豹変する時とのギャップ、カイトが夏美に好印象を抱く事でミズキが嫉妬する、善人である夏美がゼットン星人に運命を翻弄される事で視聴者の感情移入を誘うとこの場面を用意した理由は分かるのだが、あまりにも類型的な良く出来た娘さん振りが逆に不自然になって夏美と言う人物に感情移入しにくくなったところがある。

 

どうにもこうにも分からないのが夏美がベース・タイタンを訪ねて自分がゼットンの娘である事とゼットン星人の目的を明かした理由。
自分を疑わせる事でDASHメンバーを引き寄せ、そこで交通事故を起こして声紋・指紋・虹彩をスキニングする為だったと考えられるが、せっかくベース・タイタンの侵入に成功したのに先の発言で警戒態勢を取っていたDASHに迎えうたれる事になった。
何も正体を明かす事は無く、ただ交通事故だけ起こせば良かったのにと思う。
まぁ、後の描写を見ると、夏美はゼットン星人の策略を阻止する為にわざと自分を疑わせたとも考えられるが……。

 

ゼットンナノ遺伝子は直系にしか伝わらないとの事。もし誰かが幼くして死んでしまっていたらどうなっていたのだろう?
人類の始祖の時点で遺伝子が操られていたと言うのは恐ろしいが、その影響を受けたのが一人だけと言う事で人類全体に降りかかった恐怖と言うより夏美の特別感が際立つ事となった。

 

ベース・タイタンに侵入した際に夏美は手の甲に傷を負うが、その後、カイト達が家を訪ねた時の夏美にはそのような傷は無かった。おそらくトラックにはねられても翌日に復帰したように超回復を行ったと思われる。

 

地球全体を覆う監視衛星。説明を聞けば侵略者に対する備えは万全に思えるが実際は侵入されまくりなのは悲しいお約束。
今回は監視衛星の他にベース・タイタンに侵入した夏美を捕らえたバリアー、ゼットンが展開したゼットンシャッターと色々なシールドが登場しているが、その全てが破壊されている。

 

ゼットンと言えば最終回!と言う認識を覆す、まさかの第1クールでのゼットン登場!
ゼットンとの戦いはBGMがカッコ良過ぎる!
映像面でも夜から段々と朝焼けになっていくと細かい演出がされている。

 

ところでゼットン星人は戦いが始まる前に「ゼットンシャッターは完璧だ!」と宣言している。
冒頭の夏美のベース・タイタン訪問やゼットン星人のベース・タイタンのモニターに現れての宣戦布告もだが、何故に自らの手の内を最初にバラすのだろうか……。

 

マックスの危機に新たなウルトラマンであるゼノンが登場!
ゼノンは『ネオス』のセブン21と同じく平成のヒーロー作品では珍しく最初から主人公の完全な味方であった。
デビュー戦の相手がゼットンなので初登場補正も無くボコボコにブッ飛ばされてしまったのが哀れ……。『初代マン』の「さらばウルトラマン」に登場したゾフィーがモデルらしいが、どちらかと言うと『A』の「奇跡! ウルトラの父」に登場したウルトラの父を思い出す。

 

ゼノンはマックスギャラクシーをマックスに届けに来たとなっているが、自分で使おうとしたらゼットンに妨害されて、その隙にマックスがマックスギャラクシーを装着しちゃったようにしか見えない。まぁ、マックスが既にボロボロだったので、マックスに渡す予定だったがその前にダメージの少ない自分が使おうと考えてマックスギャラクシーを召還したのかもしれない。

 

マックスギャラクシーはウルトラシリーズでは久し振りとなるウルトラマン用の追加アイテム。『マックス』は平成ウルトラシリーズの定番であったタイプチェンジを行わず、昭和ウルトラシリーズの定番である追加アイテムでウルトラマンのパワーアップを演出した。
マックスギャラクシーを手に入れた後のマックスはギャラクシーカノンの力押しを多用するようになったのが残念。マクシウムソードやマクシウムカノンには色々な工夫が見られたのでマックスギャラクシーももっと色々な使い方を見せてほしかった。

 

戦いが終わった後のマックスとゼノンの会話。
宇宙戦闘機が地球に来ている事と地球を頼む発言からゼノンは宇宙戦闘機を追って地球に来たと考えられる。それならどうして地球に留まって戦ってくれないのか疑問だが、マックスが本来の任務を離れて私的な理由で地球を守っている事と関係しているのかもしれない。

 

マックスとゼノンの会話をカイトは皆に伝えるが、他の皆はウルトラマン同士の会話が聞こえていなかった為にカイト一人が浮いてしまう事に。
自分はゼットン星人の言葉を伝えに来たと言う夏美を見てミズキ隊員は「天の声を聞いたと言う人が最近多くなった」と語っていたが、今のカイトも似たような人種と思われる恐れがあった。
自分だけがウルトラマン同士の会話を知っていて、皆の反応を探りながら話すカイトと、そんなカイトを気にかけるトミオカ長官と言う二人の関係は、役者繋がりの他、劇中での立ち位置も考慮して考えてみると面白い。

 

お約束であるが「ゼットン」と言う言葉に過剰に反応するトミオカ長官につい笑ってしまう。

 

ゼットン星人が1万年かけてゼットンの娘を作り上げたのは『初代マン』の「さらばウルトラマン」でゼットン星人が40年かけて地球侵略の準備を進めていたのを下敷きにしているのかもしれない。
そうすると、ゼットン星人が堂々と宣戦布告してくるのは『帰マン』の「ウルトラ5つの誓い」でバット星人が郷秀樹に宣戦布告してきたのを下敷きにしているのかもしれない。

 

と言う事で次回「恋するキングジョー」に続きます。

 

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  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: DVD