帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「つかみとれ! 未来」

「つかみとれ! 未来 ー機械獣ギガバーサーク 機械獣サテライトバーサーク登場ー
ウルトラマンマックス』第39話
2006年3月25日放送(第39話)
脚本 小中千昭
監督・特技監督 八木毅

 

地底人類デロス人
身長 180cm
体重 50kg
ミズキ隊員の命を救ったカイトの行動を見て地上人に対する認識を改めた。
バーサークシステムを止める事が出来なかったので、地上人にバーサークシステムに関する警告を伝える。
地上人によってマックスが復活し、マックスがバーサークシステムを停止させたのを見届けると、地上人への期待を述べながら地球が元の姿を取り戻すまで眠りに就く。

 

機械獣サテライトバーサーク
身長 230cm
体重 147kg
デロスが地上人に対する認識を改めたのでカイトとミズキ隊員への攻撃を止める。

 

機械獣ギガバーサーク
身長 990m
体重 9900万t
マックスを倒す為にバーサークシステムが作り出した。
スカウトバーサークがマックスの能力を解析したので、マックスに対して確率100%で勝つだろうと言われた。
一度はマックスを倒し、大気組成の変化で地上の経済活動を停止に追い込んだが、最後はオぺレーション・マックスで復活パワーアップしたマックスに敗れた。

 

ウルトラマンゼノン
身長 47m
体重 3万6千t
地球を去ったマックスを宇宙で待っていて、マックスと一緒にM78星雲へと帰って行った。

 

物語
バーサークシステムはもはやデロスの手を離れて停止不可能な状態になっていた。
しかし、カイトは諦めず、エリーの予測を覆してミズキ隊員を救うと、今度はデロスの予測を覆してバーサークシステムを停止させようとする。
マックス最大最後の戦い。その結末は……?

 

感想
地上壊滅の序曲」の続きで『マックス』の最終回。
過去のウルトラシリーズを思い出す展開や場面があちらこちらに見えるウルトラシリーズの総決算的な内容となっている。
尚、平成ウルトラシリーズでは各作品が独立した世界観を持っていたが、その流れは本作『マックス』で一旦終わりを迎え、次作『メビウス』からはM78星雲を軸にした物語が展開されるようになった。

 

息絶えてしまったミズキ隊員だがカイトの心肺蘇生法で息を吹き返す。
ウルトラシリーズの最終回ではウルトラマンに頼らずに人間の力で頑張ると言う展開がよく見られるが心肺蘇生法は予想外であった。でも、人間の力で人間を救うと言うのを表現できるし、カイトのボランティア設定が生きるし、人工呼吸で主人公とヒロインのキスシーンを演出できるしと考えれば考えるほど上手いなと思う展開であった。
ゾフィーが命を二つ持ってきてハヤタ隊員を救った『初代マン』の最終回「さらばウルトラマン」と比べて考察してみるのも面白いかも。

 

エリーの予測を覆してミズキ隊員を生き返らせたカイトはバーサークシステムがマックスに勝つだろうと言うデロスの予測も覆すと宣言してマックスに変身する。
カイトの変身ポーズは「右手で握ったマックススパークを左手に装着する」となっているので、ミズキ隊員を抱きながら変身する事が出来ると言うのが上手かった。

 

ミズキ隊員を抱えてマックスは地上にある自分達の世界へと戻る。
「私、知ってた気がする。カイトがマックスだって事……」。
「カイト、ずっとマックスとして戦ってきたのね。私達が出会ったあの時から……。いつか人も、マックスみたいに遠い星に行ける。きっと……」。
このミズキ隊員の台詞に過去の話の映像を組み合わせる演出が秀逸!
『マックス』は全体の流れがあまり強くない作品であったが、この演出によって過去の様々なエピソードが一気に収束される事となった。この最終回で回想シーンを使って過去のエピソードをまとめていく手法は『初代マン』『セブン』『レオ』『80』等でも見られた。

 

「マックスが変身して既に2分が経過していた! あと1分。マックスにはそれしか時間が残されていない! 頑張れ、ウルトラマンマックス!」と言うナレーションが滅茶苦茶燃える!

 

ギガバーサークは全身を写さない事で巨大感が演出されていた。
因みにギガバーサークは全長990m、体重9900万tで『ガイア』のゾグ第2形態どころか『メロス』の怪獣戦艦より大きくて重いとなっている。

 

ギガバーサークとの戦いに敗れたマックスはM78星雲に帰還するエネルギーさえ尽きてしまい、このままではカイトの命にも危険が及ぶとして強制的に分離する。
最終回で主人公に危険が及ばないようにとウルトラマンが強制分離するのは『パワード』の最終回「さらばウルトラマン」と同じ展開。この後、ケンイチ・カイとパワードは別れて戦うが、カイトは最後に再びマックスと一体化して一緒に戦う事になる。この分離して再び合体する流れは『コスモス』の最終回「真の勇者」を思い出す。

 

エネルギーが完全に尽きたマックスの全身が錆びてしまうのは『ティガ』の最終決戦を思い出す。
その後のマックス救援作戦「オペレーション・マックス」は『セブン』の「セブン暗殺計画 後編」から始まった流れだが、『ティガ』以降の平成ウルトラシリーズではクライマックスにおける一種の伝統となった。そして今回も今までマックスに助けられてきたDASHが今度はマックスを助けようと奮闘する。

 

マクシウムカノンやマクシウムソードに比べてマックスギャラクシーはギャラクシーカノンによる一撃必殺と使い方がワンパターンになっていたが、今回はカイトを強制分離させたり最後はマックスにエネルギーを送る切り札になったりと色々な使い方がされていた。
UDFによってマックスギャラクシーの解析が行われるが、特別チームがウルトラマンのアイテムを解析するのは珍しく、過去には『T』の「ベムスター復活! タロウ絶体絶命!」でZATがウルトラブレスレットを、『パワード』の「さらばウルトラマン」でW.I.N.R.がフラッシュプリズムを解析したくらいである。

 

二機のダッシュバードでマックスギャラクシーを牽引して飛行する場面は『80』の「あっ! キリンも象も氷になった!!」のジャイアントボール作戦を思い出す。

 

オぺレーション・マックス開始に向けて決意を述べるトミオカ長官。
「これは、我々地上人類にとって唯一残された手段だ。エネルギー供給が完全に止まれば病人や子供と言った弱い者達から犠牲になっていく。地上人類は怠慢にも生活を豊かにする為にこの地球を汚しデロスを犠牲にしてしまった。その試練を乗り越えた時、我々人類がしなければならない努力は大きい。だが、我々が生き延びてこそ、その未来は切り拓ける。頼む、諸君……!」。
『マックス』には人類の環境破壊を糾弾する話が多くあったが、環境破壊による被害や犠牲がハッキリとした形で示されたのは今回のデロスぐらいだったりする。やはり実際の被害や犠牲が出て来るかどうかでこの手の話は説得力が大きく変わってくる。

 

ギガバーサークからの妨害でコバ隊員が操縦するダッシュバード2号が撃墜されてしまう。カイトが操縦するダッシュバード1号だけではマックスギャラクシーを牽引するのは無理だった。しかし!
「ここまで来て、諦めるかぁ!! 俺だってぇ! 俺だって、マックスなんだぁ!!」。
マックスギャラクシーに向かってカイトはダッシュバード1号を飛び出す!
そして光となったカイトはマックスギャラクシーの中に入り、輝く不死鳥となったマックスギャラクシーはマックスの右腕に装着! 遂にマックスが復活する!
この流れは主題歌の入り方も含めて滅茶苦茶盛り上がった!

 

復活したマックスは超巨大化にマクシウムソード分身シュートにギャラクシーソード最大パワーにとやりたい放題! ここまでやってくれるといっそ清々しいw
このラストバトルのインパクトが凄まじかったからか、最強ウルトラマン談義ではマックスの名前が挙げられる事がある。

 

マックス「カイト、ありがとう」、
カイト「こちらこそ、今までありがとう」、
マックス「地球の未来は君達自身が掴んでくれ。……お別れだ」。
カイトと分離して太陽に向かって飛んでいくマックス。手を振ってそれを見送るカイト。
宇宙に帰って行くウルトラマンを手を振って見送るのは『初代マン』からの伝統。
『初代マン』の時は当事者であるハヤタ隊員だけは初代マンを見送る事が出来なかったが、『マックス』ではカイトだけがマックスを見送る事になっている。

 

マックスがM78星雲に帰った事をカイトから告げられたヒジカタ隊長は「地球の未来は我々人間が自ら掴み取らねばならない」と語る。
ウルトラマンと特別チームの隊長が人類の未来について語るのは『初代マン』最終回のゾフィーとムラマツキャップを思い出す。

 

最後はココがDASH全員の集合場面を撮る。これはやはり『ティガ』の最終回「輝けるものたちへ」かな。
今まで存在意義の弱かったココだが、このシーンのおかげで印象に残った。

 

ラストシーンは驚愕の西暦2076年!
美しい自然と高度な文明が共存する世界。マックスとデロスのモニュメントが建てられ、遂に人類は宇宙に向けて旅立つ。
ここまで歴代ウルトラシリーズの最終回を思わせる展開や場面が続いた『マックス』だったが、最後の最後でこれまでのウルトラシリーズでは描かれなかった「明るい未来」をハッキリと描いた。これは他のウルトラシリーズとは世界観が繋がっていなかった『マックス』だからこそ出来た事だと言える。
因みに前回の「地上壊滅の序曲」で「50年後の未来」に関する話題が出ていたのが伏線となっていて、この2076年は50年後の未来と言う事になっている。と言う事はマックスとDASHが活躍していたのは2076年から50年前の2026年と言う事になる。意外と未来を舞台にしていた事に驚く。
さらに「狙われない街」でメトロン星人が「40年間潜伏していた」と語っていたが、2026年の40年前は1986年で、『セブン』の時代設定は1987年なので辻褄が合っちゃったりする。(まぁ、2026年設定は最終回のみの設定だろうけれど)

 

自分達の孫が宇宙に旅立つのを見送るカイトとミズキ。
主人公とヒロインが結婚するのは『ティガ』や『コスモス』でもあるが、続編や映画と言った後日談ではなくTVシリーズの中でそれを明確に描いたのは『マックス』のカイトとミズキだけである。
カイト「私達の孫が……とうとう宇宙に向かって旅立っていくよ」、
ミズキ「マックスに会えるかしら?」、
カイト「会えたら……伝えてほしい言葉があったんだ」、
ミズキ「なぁに?」、
「私達は、未来を掴めたよ、って……」。

 

『X』の「狙われたX」は今回の話の後日談となっている。

 

今回の話は小中さんの現時点でのウルトラシリーズ脚本最終作となっている。

 

翌週の2006年4月1日に「スペシャルフィナーレ ウルトラの未来へ」と言う総集編が放送されている。
M78星雲に戻ったマックスが新たな宇宙に旅立つと発言していて、ウルトラシリーズがいくつもの宇宙を舞台にしている事が分かる。

 

未来で会いましょう
ウルトラマンマックス

 

 

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  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: DVD