「GUTSよ宙へ・後編 ーゴブニュ(オグマ)登場ー」
『ウルトラマンティガ』第20話
1997年1月18日放送(第20話)
脚本 小中千昭
監督・特技監督 村石宏實
巨大機械人形ゴブニュ(ギガ)
身長 60m
体重 8万t
基地とティガごと自爆しようとしたが、ティガ・パワータイプに空中に連れ出されて失敗に終わった。その後、回収された破片から禁じられた力であるマキシマ・オーバードライブを使う者を消去する「保障システム」であった事が判明する。
ヤズミによると、ある種の金属生命体で破片の一つ一つがコンピューターでありエンジンであるらしい。動力も無くて金属そのものがマキシマ・オーバードライブに反応して活動していた。
機械人形ゴブニュ(ヴァハ)
身長 2m
体重 350kg
機械島の中から編隊を組んで現れてアートデッセイ号を攻撃するがガッツウイングによって倒された。
巨大機械人形ゴブニュ(オグマ)
身長 67m
体重 8万8千t
機械島から現れた巨大機械人形。
雷撃でティガを苦しめた。
通常兵器は効かなかったがアートデッセイ号のマキシマ砲を受けて爆発。機械島と同化していたので自身が起爆剤となって機械島そのものにも爆発が伝わり、そこにティガ・マルチタイプのゼペリオン光線を受けて機械島ごと完全消滅した。
結局、機械人形を送り込んだ者の正体は最後まで謎のままだった。
物語
機械人形との戦いで消滅したティガ。
機械島に閉じ込められたアートデッセイ号。
絶望したダイゴの心にユザレが現れる。
感想
「GUTSよ宙へ・前編」の続き。
これまでにあった様々な要素をまとめ、そこに「光」と言う要素を加えて未来への道を指し示した話となった。今回の話で「皆で力を合わせて光溢れる新たな時代へ向かう」と言う『ティガ』の基本テーマが確立した。
ヨシオカ長官、ユザレ、キリエルの預言者と多くのサブキャラクターが再登場。
これまでのウルトラシリーズではレギュラー以外のキャラクターが再登場する事は珍しかったが、平成に入って縦軸のストーリーに力が入れられるようになると、ゲストも一度きりの登場ではなく何度か登場してキャラクターやテーマが掘り下げられるようになっていった。
今回の話でダイゴの事を一番心配していたのは実はサワイ総監のような気がする。なんかイルマ隊長よりダイゴの事を気にかけているような……。
因みにダイゴとサワイ総監の出会いは後の「南の涯てまで」で明かされる事となる。
機械人形との戦いでエネルギーを使い果たして消滅したティガ。そんなダイゴの心にユザレの声が響く。
ユザレ「ダイゴは光……。光はダイゴ……」、
ダイゴ「僕が……、なぜ僕なんだ?」、
キリエルの預言者「地球の守護神になるつもりかね? おこがましいとは思わないのか?」、
ダイゴ「僕一人でこの地球を守れって言うのか? 僕は負けたんだぞ!? ウルトラマンティガになる資格なんて、……僕にあるのか?」。
珍しく内面を語るダイゴ。「悪魔の預言」でキリエルの預言者に言われた事が心に残っていて、知らず知らずのうちに自分一人で地球を守ろうと地球の守護神になろうとしていたのかもしれない。又、負けた事で自分にその資格があるのかどうか悩むのは「よみがえる鬼神」での景竜の言葉が心に残っていたのかもしれない。
そんなダイゴの眼前に宇宙で戦うGUTSの姿が映し出される。
ダイゴ「僕だけじゃないんだ……」、
ユザレ「そう……。光になる力は、これまでずうっと受け継がれ続けてきた。人類が次の時代に進もうとしている今、光となる力は再び求められている。けれど、あなたは一人ではない。人間達が力を合わせなくては次の時代に進む事は出来ない。私達の種族が絶えてしまったように……」。
ユザレの言葉を聞いたダイゴはスパークレンスを見つめる。
この会話を聞いていると、超古代人はウルトラマンに頼り切ってしまった為に滅びたように思えるが……。
機械人形が何者かが送り込んだ保障システムだと知ったサワイ総監は「自分達より高度な文明を持つ星に先手を打つ勝手な存在」と憤る。
ただ、マキシマ・オーバードライブが宇宙全体に危機を及ぼすような危険な力だとしたら機械人形を送り込んだ者の行動も分かる気がする。「地球に降りてきた男」でもそうだったが、サワイ総監は宇宙人に対してちょっと厳しい。
機械島の中の小さな宇宙に閉じ込められたアートデッセイ号。
レナは思わずダイゴの名前を口にし、その後、助けに来たダイゴに感極まって抱きつく。
この辺りになるとダイゴとレナの関係はかなり明確になっている。
戦いの中でレナはティガに向かってダイゴの事をお願いしている。
どうやらこの時点ではまだダイゴがティガである事に気付いていないようだ。
ヤオ博士はマキシマ・オーバードライブを未来に通じる光だとして戦いの道具として使われる事を拒否していたが結局は機械島を破壊する為にマキシマ・オーバードライブは強力な武器として使われる事になる。
「マキシマは悪しき力じゃないと宇宙の誰かさんに証明しなくちゃな」と語られたように、大事なのは今後の使い方である。