帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「未来への飛翔」

「未来への飛翔」
ウルトラマントリガー』第2話
2021年7月17日放送(第2話)
脚本 ハヤシナオキ
監督 坂本浩一

 

吸血怪獣ギマイラ
身長 59m
体重 5万2千t
海から突然現れた怪獣。宇宙から地球に来て棲みついた外来種との事。
角から怪光線、触手から電撃攻撃、パワーも桁違いな厄介な相手。
トリガーを苦しめるが最後は至近距離からのゼペリオン光線で倒された。

 

物語
ケンゴは地球にやって来てGUTS-SELECTに入隊する事になる。
一方、カルミラは仲間の闇の巨人であるダーゴンの封印を解く。

 

感想
今回からGUTS-SELECTが本格的に登場する。『トリガー』は超古代に関係する人物以外は本筋にあまり絡めないところがあり、そういう状況でも印象に残す為か分かりやすくてインパクトのある漫画的なキャラクターに設定されている。
隊員に漫画的なキャラ付けをするのは『ティガ』より『メビウス』に近い印象を受けた。『メビウス』は歴代ウルトラマンの客演が多かったがCREW GUYSのメンバーが濃いキャラクターが揃っていたので皆印象に残った。(そう言えば今回のサブタイトルは『メビウス』の「明日への飛翔」を思い出す。因みにどちらも基地が初めて飛ぶ話)

 

テッシンとヒマリは「暑苦しいおじさんとクールな若い女性」「表裏の無い性格と二重人格」「ナースデッセイ号を実際に操縦するとGUTSファルコンを遠隔操縦する」と対になる設定になっていて二人セットでキャラクターを覚える感じになっている。

 

マルゥルはメトロン星人の子供と言う設定の着ぐるみキャラなので一番最初に覚えられるキャラクターになっている。
自分は市道真央さんは『海賊戦隊ゴーカイジャー』のルカのイメージが強かったのだが、M・A・Oさんの生意気な男の子の演技が完璧すぎて感動した。

 

ユザレとユナは豊田ルナさんの一人二役となっている。『ティガ』でも高樹澪さんがイルマ隊長とユザレの一人二役をする可能性があったらしいが、それをしたら主人公のダイゴやヒロインのレナより物語での役割が増えてバランスが悪くなってしまう恐れがあったと思う。実際、『トリガー』ではユナに関する話が多くなって他のGUTS-SELECTのメンバーの個人回を作る余裕が無い感じになってしまったところがある。

 

入隊したばかりでまだ敬礼が出来ないケンゴに対抗してかやたらビシッとした敬礼をするところにアキトの負けん気の強さが出ていた。

 

『トリガー』は『ティガ』を元にしているのでGUTS-SELECTもGUTSを元にしていると思われるが「ラジャー!」の返事やテッシンの体育会系的なキャラクターや火星開拓が進んでいる等、どちらかと言うと『ダイナ』のスーパーGUTSに近いところがある。
そう言えば『ダイナ』も『トリガー』も『ティガ』との関係が強いが差別化の為か『ティガ』とは違う作風になった作品である。

 

カルミラウイップでダーゴンを叩いて封印を解くカルミラ。
前回の「光を繋ぐもの」ではカルミラがカルミラウイップでどんなに叩いてもトリガーの巨人像は何の変化も起きなかったがケンゴが光になってカラータイマーに宿ると復活した。この事からトリガーの巨人像はケンゴが一体化するまでは魂が無い状態だったのでカルミラがカルミラウイップでどんなに叩いても復活する事が無かったと考える事が出来る。

 

GUTSスパークレンスはハイパーガンモードにして怪獣のGUTSハイパーキーを装填すると怪獣の能力を発揮できると言う凄いアイテム。前回のシズマ会長はゴモラ、今回のアキトはエレキングのキーを使っている。ゴモラエレキングは『初代マン』『セブン』の有名怪獣であるが『大怪獣バトル』でレイが使っていたり『X』でモンスアーマーに使われたりと人間側に使われる機会の多い怪獣である。

 

GUTSファルコンは無人での遠隔操縦だからか滅茶苦茶な動きが出来るようになっていてCGを活用した戦闘シーンとの相性が良かった。

 

『ティガ』ではサワイ総監はティガの正体を知らなかったしダイゴはティガに変身する前からGUTSとして活動していたのでティガが登場した後もあくまでGUTSを中心に物事を考えていたのだが、『トリガー』ではシズマ会長はトリガーの正体を最初から知っているしケンゴがGUTS-SELECTに入隊したのはトリガーに変身したからなのでGUTS-SELECTではなくトリガーを中心に物事を考えているところがある。闇の巨人も最初は人間の事は気にせずトリガーだけを気にかけていたので、結果として『ティガ』がGUTSがメインでそれにティガと怪獣の戦いが加えられている感じなのに対して『トリガー』はウルトラマンと闇の巨人の戦いがメインでそれにGUTS-SELECTが加えられている感じになった。

 

ケンゴはまだ戦い慣れていないので確実に倒す為にギマイラに馬乗りになって至近距離でゼペリオン光線を放つと言うかなり怖い戦い方をしている。結果として自分が光線で倒した怪獣の爆発で吹き飛ばされて街の被害を拡大させてしまう事になる。

 

カルミラは元ネタのカミーラとあまり変わらない設定になっているがダーゴンは元ネタのダーラムがティガを「マイ・フレンド」と呼んでいたのに対してトリガーを「好敵手」と呼んでいる。
ダーラムはティガを「マイ・フレンド」と呼ぶ事で見た目とは違った複雑な内面があったのかなと思わせるところがあって、ダーゴンはトリガーを「好敵手」と呼ぶ事で見た目も中身も戦い好きな分かりやすいキャラクターとなっている。

 

アキトは遺跡から発掘された神器を解析してGUTSスパークレンスを作ったと言う設定。基があったとは言え地球人がウルトラマンの変身アイテムを作り出すとは驚いた。
因みに実は『ティガ』でもホリイ隊員が人間を光に変換する装置「デオ209」を開発していて、これも「地球人が人間をウルトラマンにするアイテム」と考える事が出来る。

 

アキトがケンゴに厳しい態度を見せたのは自分が光の巨人に変身してユナを守るつもりだったのにケンゴが光の巨人に変身したからであった。
アキトの気持ちも分かる。実際はケンゴとユナはそういう関係にはならなかったが、超古代の力を秘めているユナと超古代の力を使えるケンゴと言う関係は男女としても特別なものになる可能性が十分にあった。アキトが焦ってしまうのも仕方が無い。

 

アキトのユナへの想いを知ったケンゴは自分が光の巨人に変身した事でアキトの望みを絶ってしまった事を謝るが、それと共に「でも僕はユナやアキトも含めた世界中の皆を笑顔にしたい」と「ユナを守る為」に動いているアキトにしっかり反論している。

 

再び現れたダーゴンに対してケンゴは体力が回復していない状態で戦おうとするが、そこにアキトがやって来てトリガーのパワータイプキーを渡す。
「技術者としての才能があるが本人は戦士として生きる事を望んだ」と言うのはトレギアとアキトの共通点であるがトレギアが宇宙警備隊に入れなかった事を引きずってしまったのに対しアキトは光の巨人になれなかった事はとりあえず脇に置いてケンゴのサポート役を受け入れる事が出来た。おそらくこれはアキトに「ユナを守りたい」と言う強い思いがあったからと思われる。このままケンゴと対立してもユナの身に危険が迫るだけと言うのをちゃんと理解していたのであろう。

 

ダーゴンの強さを存分に見せていたのでそれと互角以上に戦えるトリガーのパワータイプの力強さも十分伝わった。
パワーに対してスピードではなく同じパワーで対抗するのは『ティガ』の「光を継ぐもの」でティガがパワーのゴルザをパワータイプで圧倒したのを思い出す。
ダーゴンとの決戦が海底だったのは『THE FINAL ODYSSEY』でティガとダーラムの決戦の場所が海底遺跡だったからだと思われる。

 

 

経理のテルミちゃん」
『ナースデッセイ開発秘話 ~特務3課奮闘記~』第2話
脚本 足木淳一郎
監督 村上裕介

 

マルゥル「TPUじゃどこも浮遊モニターとかマルチデバイスとか普及してるっつーのにまだそんな旧式のノートPC使ってんのかよ」、
ホッタ「仕方無いだろ。予算が無いんだから。お金がある本隊とは違うの、ウチは」。
マルゥル「この部屋もなんか統一感無いし」、
ホッタ「仕方無いだろう。この机一個しか支給されなかったんだから。後は色んな所から廃品回収してきてやーっとこの形にしたんだ」。
上手く劇中の展開に合わせた台詞にしているが制作の事情が透けて見える会話である……。

 

ホッタさんとテルミちゃんのやり取りが面白い。
ホッタさんがずっとテルミちゃんにやられてしまっているのだが話を聞くとホッタさんの自業自得なのでコテンパンにされても不快感は無い。このバランス感覚が上手いなぁと思う。