「Episode25 予兆 -プロフェシー-」
『ウルトラマンネクサス』第25話
2005年3月26日放送(第25話)
脚本 長谷川圭一
監督・特技監督 北浦嗣巳
クラスティシアンタイプビーストグランテラ
身長 53m
体重 4万3千t
両腕の間にエネルギー球体を発生させて撃ち出す。
サソリがイメージされている。
肩書きの「クラスティシアン」は「甲殻類」と言う意味。
物語
終焉の地での決戦を終えた孤門達はTLT-Jの緊急査問会で事情聴取を受けていた。
今回はネクサスとして戦い続けた男・姫矢准を巡るお話。
感想
TLT-J緊急査問会と言う形をとっての総集編。
『ネクサス』は他のウルトラシリーズと違って誰が何を知っているのかと言う劇中登場人物それぞれの情報保有量に差があるので今後の展開の為にそれらを整理した話となっている。
アメリカコロラド州で18年前に人型ビーストが西条副隊長の母親を殺害していたと言う新事実が判明する。
「安息 -キュア-」での世界UFO研究会の説明と合わせて考えると、この人型ビーストが最初期のビーストの一体だと推測される。
この後の話で北米本部の内部分裂の話が出たりアメリカのダラスから憐がやって来たりと物語の重要な場所として北米がクローズアップされてくる。
遂に根来を追い詰めたMPだったが根来が焚いたフラッシュの光に首藤チーフが異常に怯える。
メモレイサーと言う真実を隠蔽する光を焚いていた首藤チーフがカメラのフラッシュと言う真実を知らしめる光に怯えると言うのが面白い。
クトゥーラ事件は新種のウイルスが原因だったと表向きは発表される。これは『ULTRAMAN』に登場したBCSTの設定を思い出す。
複数箇所で新種のウイルスが発生して多数の犠牲者が現れたなんて怪獣出現並みに世間がパニックになりそうなのだが大丈夫だったのだろうか……。
今回で姫矢編が終了して佐久田や根来と言った姫矢編の登場人物の整理も行われた。
姫矢がネクサスだったと言う事実は明かされる事無く闇に葬られてしまったが、ネクサスの光が無くても姫矢がかつて撮った写真は国境を越えて時代を超えて多くの人に影響を与えていた。
「光は絆だ」と孤門に告げて姫矢は光の中に消えていく。
今回は孤門の視点で再現されていたのでふと思ったのだが、子供時代の孤門を助けた宇宙人が消えていく場面に似ている感じがする。狙ったのか偶然なのか……。
「光は絆」と言う姫矢の言葉を聞いた松永管理官は姫矢の前にウルトラマンに変身していた最初のデュナミスト、「ネクスト」と呼ばれる銀色の巨人に変身した元空自のパイロットの話題を出す。
これは『ULTRAMAN』への振り。一時期の予定では今回の話が放送される時期を狙って『ULTRAMAN』を公開してTVシリーズと映画をリンクさせるつもりだったらしい。
「予知者 -イラストレーター-」でも気になるワードを散りばめて視聴者の興味を引いていたが、今回はそれに「最初のデュナミストの件は忘却の海レーテによって消去済み」「来訪者に関する事はトップシークレット」「北米本部は二つに分かれている」と少し詳しい説明が付け加えられている。
姫矢准から採取したデータが全て消去されて最強兵器ウルティメイトバニッシャーは使用不可能になってしまう。
吉良沢がスパイの仕業だと言ったところでMPが映し出されるが終わってみるとこれはミスリードでMPは今回の件に絡んでいなかった。(もしザギが三沢を遠隔操作して消去させたのならミスリードではなくなるのだが、おそらくこの時点では三沢はまだ闇とは無関係だったと思われる)
それでは犯人は誰か? 人間が強くなる事を警戒したザギか、パワーバランスが崩れて対ビースト抗体の開発が遅れる事を懸念した吉良沢かのどちらかだと考えられる。
束の間の一時。和倉隊長にコーヒーを差し出す西条副隊長。溝呂木との決着を付けたからか、いつもの刺々しさが無くなっていてちょっと驚いた。
新しく出現したビーストの前に現れたネクサスはアンファンスからジュネッスブルーに変身する。
個人的にはアンファンスでもうちょっと引っ張って「姫矢は無事だったのか!?」と思ったところでジュネッスブルーに変身して別人の可能性を出してほしかったかな。