帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「アーブの悲劇」

SAGA1 アーブの悲劇」
ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ』第1話
2006年6月30日配信
脚本 小林雄次
監督・特技監督 菊地雄一

 

ウルトラマンキング
身長 58m
体重 5万6千t
不可能を可能にする伝説の超人で荒野の星・惑星トワールで暮らしていた。
多くの呼び名を持ち、地球では「ウルトラマンキング」と呼ばれている。
青い巨人にナイトブレスを授け、「綺麗な水ほど濁りやすい」と忠告するが、その忠告空しく、青い巨人は復讐に心を奪われてハンターナイト・ツルギになってしまう。

 

超高度生命体アーブの民
身長 測定不能
体重 測定不能
何万年もの間、争いも無く繁栄し続けた「奇跡の星」。
進化の過程で多くの同胞達と融合し大地に根を下ろした結晶体のような存在。
惑星アーブに宿るもの「ツルギ」の予言を受け、宇宙の平和を脅かす邪悪な影によって自分達が破滅する事と天空より舞い降りし勇者が光の鎧を纏ってアーブの大地と一つになる事を知っていた。
青い巨人が惑星トワールに行っている間にボガールに襲われ、電流攻撃で抵抗するも全て喰い尽くされてしまった。

 

高次元捕食体ボガール
身長 47m
体重 4万7千t
宇宙の平和を脅かす邪悪な影。
惑星アーブを襲い、アーブの民を全て喰い尽くしてしまった。
青い巨人の出現に退却した後、次の餌場として地球に狙いを定める。

 

健啖宇宙人ファントン星人
身長 2m
体重 92kg
ツルギがボガールの足取りを追う途中で出会った。
ボガールが地球に向かった事を教える。

 

物語
科学者として奇跡の星アーブに降り立った青い巨人はそこで出会ったアーブの民と共に生きる事を決めたが、そこに宇宙の平和を脅かす邪悪な影が迫る。
今、明かされるハンターナイト・ツルギ誕生の物語!

 

感想
「ネット配信」と言う新しい形で発表された『メビウス』のスピンオフ作品。インターネットが生活に定着した事で作品を発表する場もネットへと広がっていく事となった。
因みに「ウルトラマンヒカリ」の名前はスポンサーであるNTT東日本の「フレッツ光」に由来しているらしい。

 

メビウス』本編の「復讐の鎧」で触れられたツルギとボガールの因縁が明らかになる。時系列で考えると『メビウス』の「第0話」と言うべき話。

 

『ヒカリサーガ』は人間のキャラクターが出ない「仮面劇」となっている。『ファイト』『メロス』『ウルトラマン物語』の系譜で、この中だと『メロス』が本作に最も近いかな?

 

青い巨人は宇宙警備隊員のような力は持ち合わせていないとして、科学者として奇跡の星アーブに降り立つ。
ウルトラマン達の事を「ウルトラ戦士」とも呼ぶように殆どのウルトラマンが戦士だったので科学者の登場は意表を突かれた。

 

アーブの民は進化の過程で多くの同胞達と融合した結晶生命体。
ゴーデスやスフィアやカオスヘッダーを思わせる設定だが、無理矢理に他者を取り込もうとしなかったからか、前三者と違ってアーブの民は好意的に描かれている。

 

アーブの民の声を担当したのは当時グラビアアイドルだった小倉優子さん。
作品は多くの人に見てもらわなければ採算が取れないので、自分は宣伝の為の有名人起用には反対ではない。ただし、宣伝の為に作品の質を落としては元も子もないので、ある程度の演技力等は欲しい。

 

ツルギの予言を聞いた青い巨人は自分がその勇者になると誓い、不可能を可能にする伝説の超人に会いに荒野の星・惑星トワールへ向かう。
そこにいた謎の老人に「お前の荒んだ心のようにこの星の空も荒れている」と告げられた青い巨人はホットロードフラッシュで雲を吹き飛ばして力尽くで快晴を取り戻す。それを見た謎の老人は自分がウルトラマンキングであった事を明かし、青い巨人がいつか人間と出会って「ウルトラマン」と呼ばれる日が来るかもしれないと言い、ナイトブレスを授ける。
この時のキングは青い巨人の行く末を予見していたのか「綺麗な水ほど濁りやすい」「この空のような澄みきった心を忘れてはいけない」と青い巨人に忠告している。しかし、その忠告も空しく、青い巨人は復讐に心を奪われてしまう事になる。

 

今回のキングは『レオ』でキングを担当した清川元夢さんが声を当てている。30年以上経っても清川さんが再び声を当ててくれるとは思わなかったのでかなり驚いた。

 

ローブに身を包んだキングの姿は『スター・ウォーズ』のキャラクターのようであった。「宇宙の様々な星を舞台に戦いや冒険が繰り広げられる」と言うスペースオペラの部分で共通点があるからか、これ以降のウルトラシリーズは宇宙関係の描写で『スター・ウォーズ』を意識したと思われるところがいくつか見られる。

 

キングにはたくさんの呼び名があり、「ウルトラマンキング」は地球に住む人間が使っている呼び名との事。
ちょっと待って! 一番最初にキングの事を「ウルトラマンキング」と呼んだのはウルトラの星出身のダン隊長なのだが……?(『レオ』の「ウルトラマンキング対魔法使い」)

 

ボガールにアーブの民を全て喰い尽くされてしまった青い巨人は怒りと復讐心に支配されながら闇雲に戦う。
元々は戦士でないのでちゃんとした戦いが出来ず、ウルトラ戦士ではあまり見られない滅茶苦茶な戦いになっている。
これが青い巨人の初戦になるのだが、後の「心からの言葉」でヒカリと一体化したリュウの初戦もこのような滅茶苦茶な戦いであった。
滅びた惑星アーブで青い巨人が漏らした「俺は……何も守れなかった」と言う台詞は第1話「運命の出逢い」のリュウの台詞に繋がっている。

 

滅び去った者達の無念と怨念の叫びを聞いた青い巨人は復讐の鎧を身に纏ったツルギへと変貌する。
今回の話はキングが登場したり怪獣によって星が滅ぼされたりと全体的に『レオ』を思わせる雰囲気であった。
『T』を思わせる要素が多いメビウス周りで「友情」が描かれ、『レオ』を思わせる要素が多いヒカリ絡みで「孤独」が描かれている。

 

そう言えば、この時点での青い巨人の名前は何なのだろうか?
『初代マン』の「ウルトラ作戦第一号」でハヤタ隊員が「初代マンには名前なんか無い」と言ったように、青い巨人も決まった名前は持っていなかったのだろうか?