帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「斬鬼流星剣」

斬鬼流星剣」
ウルトラマンアーク』第17話
2024年11月9日放送(第17話)
脚本 中野貴雄
監督 越知靖

 

宇宙侍ザンギル
身長 220cm~54m
体重 77kg~5万4千t
末路わぬ魂が彷徨う魔界からやってきた宇宙を流離う侍。
実はヘルナラクによって魔界から蘇らされていたが、宇宙侍の矜恃としてヘルナラクの意のままにはならなかった。その為、他の幽体怪獣のように闇のエネルギーは供給されず、わずかな時間しか現世で活動できなかった。
ユウマに「斬鬼流星剣」の極意を伝えると最後にシュウからのコーヒーを飲んで満足げに消えていった。

 

深海怪獣ゲードス
身長 50m
体重 2万t
ヘルナラクによって死んだ魂(残留思念)を卵に封じ込められて次元の裂け目を通じて地球へ送り込まれた鬼(幽体怪獣)。
卵から孵化すると魔の時に魔の道を通って現世に現れて仇を為す。
ユピーによって解析されたザンギルの刀の波動を受けて実体化する。
アークと戦うがアークエクサスラッシュで「ゲードスの開き」にされる。

 

甲虫怪獣タガヌラー
身長 60m
体重 5万t
ゲードスと同じくヘルナラク支配下にある幽体怪獣。
一度に大量の数が孵化してザンギルを追いつめるが、ギャラクシーアーマーの能力を駆使したアークによって全て倒された。

 

物語
「空に不吉の光が現れし時、災いが起こる」。
宇宙侍を名乗るザンギルから闇将軍ヘルナラクの脅威を教えられたSKIPはその対策に動く。
一方、ユウマはザンギルの話から違う次元にもウルトラマンがいる事を知る。

 

感想
ウルトラシリーズでは違う宇宙にも同じ種族の怪獣や宇宙人が存在するので、前回の「恐れの光」に登場したモグージョンやザンギルは『ブレーザー』世界の個体が再登場したのか『アーク』世界の怪獣や宇宙人なのか分からなかったが、今回の話でザンギルがゲント隊長やブレーザーの存在に触れた事でザンギルは『ブレーザー』世界の個体が次元を超えて再登場した事が確定した。
世界同時展開される事になった『ブレーザー』は海外の初めてウルトラマンを見る人達の事を考えて過去の作品との繋がりが外されたが、世界同時展開第2弾となった『アーク』では前作『ブレーザー』との繋がりが作られる事となった。
公式の設定ではないが、自分の中では『ギンガ』から『デッカー』までがニュージェネ第1期、『ブレーザー』からはニュージェネ第2期みたいな捉え方をしている。

 

シュウさんの物語は「同僚を宇宙人に殺された」から始まって、そこからアークやヌマタさんと言った地球人に友好的な宇宙人と出会って少しずつ変わっていって、今回の話で遂に宇宙人であるザンギルとコーヒーの話題で盛り上がる事となる。
シュウさんのコーヒー好きの設定が明らかになって、ザンギルの再登場が発表された時、コーヒー好き同士のやりとりが見たいなと思ったが、まさか「同じ地球人であるSKIPの仲間でもコーヒーの話題を共有する事は出来なかったが、違う星の出身である宇宙人のザンギルとはコーヒーの話題を共有する事が出来た」として、「出身が違っていても心を通わせる事は出来る」とシュウさんの宇宙人に関する物語を上手く決着させたのは見事すぎて驚いた。

 

ザンギルが語る「魔界」とは「この世とあの世の境界」との事。
「怪獣墓場」みたいなものなのかな?

 

ザンギルの持つ「斬鬼流星剣」には幽体と実体の境界を揺るがす力があるとの事。
「鬼」「音を使って魔物と戦う」と言う設定を聞くと『仮面ライダー響鬼』を思い出す。「斬鬼」と言う名前の仮面ライダーもいたし。

 

「冥府の闇将軍とでも言うべき存在ヘルナラク」。
「闇将軍は己の眷属を増やし、いずれ次元の裂け目を通って地球に怪獣幕府を打ち立てようとしている」。
自分もウルトラシリーズを長く見ているので大体の事は予想が出来るようになったかなと思っていたのだが、自分がウルトラシリーズを見始めてから四半世紀以上経ったが「闇将軍が怪獣幕府を打ち立てる」と言うワードは一度も頭に浮かんだ事が無かった。どうやら自分はまだまだ想像力が足りないようだ。

 

ザンギルの話を聞いたユウマは「違う次元にも自分と同じウルトラマンがいるのか?」と尋ねる。それに対してザンギルは「想像力には無限の可能性がある。その可能性の数だけ宇宙があり、ウルトラマンはいる」と答える。
さすがは「いかなる星の空気をも読める侍」と豪語するザンギルさん。ちゃんと『アーク』世界のキーワードである「想像力」を使って説明をしてくれる。

 

「生命と言うのはの、大きな「輪」のようなものじゃ。一つの命の死は別の命に受け継がれる。命の潮流に心を委ね、流れるように斬る。名付けて「斬鬼流星剣」! その命の大いなる調和を乱すのがヘルナラクなのじゃ」。
ユウマの両親、シュウさんの同僚、「満月の応え」のホムガー、「遠くの君へ」のフィオ、「お前はギヴァス」のメグマ星人と『アーク』は命を落としたものが数多くいる。彼らが生き返ったりする事が無かった理由は今回のザンギルの言葉に示されていると思う。そしてこれは最終回で「死んだ両親の復活」をユウマが否定するのにも繋がっていくのだと思われる。

 

ブレーザー』の地球と違って『アーク』の地球ではゲードスやタガヌラーはこれまで出現していなかったようだ。
ニュージェネレーションシリーズは殆ど全ての怪獣がどの宇宙にも存在しているような設定だったので、これは新鮮だった。
着ぐるみの都合を考えたら難しいとは思うが、「その作品にしか登場しない怪獣」はもう少しいても良いかなと思う。

 

ザンギルの刀の波動を解析して幽体怪獣を実体化させるのに成功するSKIP。
多くの特別チームは「怪獣の特性を分析して能力を無力化させたりする」と言った活躍の場面の後に「戦闘機等を出撃させるが独力で怪獣を倒す事は出来ない」と言うピンチの場面が来るが、SKIPは調査メインのチームなので「怪獣の特性を分析して能力を無効化させたりする」と言う活躍の場面が終わったらその話での大体の役割が終わって、その後の「出撃するが独力で怪獣を倒せない」と言ったピンチの部分が無いので、かなり有能な印象を出している。

 

ゲードスを倒したアークはギャラクシーアーマーの能力で別の場所で戦っているザンギルのところへ向かう。これはソリスアーマーやルーナアーマーでは出来ない事でギャラクシーアーマーの特性が出ていて良かった。

 

タガヌラーの大群に対抗する為にアークはギャラクシーアーマーの能力で分身体のアークドッペルゲンガーを作り出す。
初見は「そんなのアリなの!?」と驚いたが、超能力タイプの元祖である『ダイナ』のミラクルタイプも分身した事があったので、パワーのソリスアーマー、スピードのルーナアーマー、超能力のギャラクシーアーマーと言う能力の差別化の為にはアリだったと思う。

 

「やはり……、コーヒーは……美味いのう……。さらばじゃ……」。
個人的に『ブレーザー』の「さすらいのザンギル」でザンギルが最後のコーヒーを飲めず喫茶店の主人に別れを告げられずに消えてしまったのが寂しかったので、今度はシュウさんのコーヒーを飲んで別れの言葉を残せたのが嬉しかった。

 

「怪獣のボスが死んだ怪獣達を復活させて総攻撃を企てていたら、人間に味方する怪獣まで復活させてしまって計画が露見する」と言う今回の話の展開は『初代マン』の「小さな英雄」と同じ。他にも復活怪獣が人間を攻撃する二体と人間に味方する一体だったり、人間に味方する怪獣が発する音を特別チームが解析したりと色々オマージュがある。そう考えると初見は度肝を抜かれたヘルナラクの「闇将軍」と言う肩書きもジェロニモンの「怪獣酋長」が元ネタなのかな。

 

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