帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「コノミの宝物」

「コノミの宝物 ー円盤生物ノーバ登場ー
ウルトラマンメビウス』第28話
2006年10月14日放送(第28話)
脚本 長谷川圭一
監督・特技監督 小中和哉

 

円盤生物ノーバ
身長 10cm~57m
体重 20g~1万t
MAC全滅後に確認された宇宙怪獣として「アウト・オブ・ドキュメント」に記録されている。
リムエレキングを構成する為の高エネルギー分子ミストを奪い続け、リムエレキングを自分の分身へと変質させた。自分の分身を使ってメビウスとCREW GUYSが出撃した隙を突いてフェニックスネストを襲う。
口から吐く赤いガスで機体のシステムに異常をきたして人間を咳き込ませ、同じく口から赤黒い光弾を放ち、円盤形態に変形して相手を攻撃する。
ミクラスの電撃を受けた後、メビウスのメビュームシュートを受けて倒された。

 

マケット怪獣ミクラス
身長 ミクロ~40m
体重 0~2万t
コノミの声援を受け、電撃でメビウスを援護する。

 

物語
フェニックスネストの周辺で赤いテルテル坊主の噂が騒がれる中、コノミは昔の知り合いのスザキと再会する。
しかし、スザキはゴシップ週刊誌の記者ヒルカワを連れていて……。

 

感想
実はコノミの主役回は「傷だらけの絆」以来、約半年振りとなる。
他のCREW GUYSが初期の話で問題や悩みが示され第2クールでその問題が解決されていったのに対し、コノミは最初の話で臆病と言う問題をその話の中で解決しているので意外とその次の話が作られなかった。
しかし、コノミは「ウルトラマンの重圧」等と言ったミライ絡みの話で重要な役目を担う事が多く、今回もコノミ編ではあるが、ミライが人間の負の部分を見て感情を露わにすると言うミライにとっても大きな意味を持つ話となっている。

 

今回はコノミのメガネの話。子供の時にメガネの事でイジメられていたが同級生のスザキの言葉で自信を持つ事が出来た。それが現在の保育士やCREW GUYSとして頑張る原点となったとの事。
メガネ絡みで言えば「傷だらけの絆」でミライはメガネを使って「勇気の出るおまじない」を教えているので、現在のコノミにとってメガネはイジメられるネガティブな象徴ではなく、勇気の出るポジティブな象徴となっている。
ただ、「宇宙の剣豪」ではメガネを外してコンタクトレンズを試しているのでメガネに対するコンプレックスはまだ残っているようである。

 

スザキと会う事でミサキ代行がコノミの服をコーディネイトする事に。
フジサワ博士との友人関係が出てからミサキ代行の仕事以外の部分が出るようになってきた。

 

コノミの友人として登場したスザキはかつて期待の新人役者として騒がれたが傷害事件を起こして芸能事務所をクビになってしまった。そこをヒルカワに付け込まれて、ゴシップ記事に協力する事になるが、現在のコノミの頑張りを見て夢を諦めない事を改めて誓うようになる。
結果としてスザキはコノミを裏切る形になり、それを知ったミライは感情を露わにするのだが、コノミはそれに気付きながらもスザキを信じようとした。後にヒルカワが再登場する「エースの願い」でエースがメビウスに向かって語った「裏切られても優しさを失わないでくれ」をコノミは体現していたと言える。

 

登場回数は少ないながらもその言動でウルトラシリーズの中でも印象深いキャラクターとなったヒルカワが登場。
ジョージの説明によるとゴシップ週刊誌の記者でスクープの為ならどんな汚い手でも使うハイエナ野郎との事。ジョージのGUYS入隊に関して批判記事を書いたのも彼。おそらくここで取材対象がジョージからGUYSへと移り、CREW GUYSのコノミの知り合いにスザキがいる事を突き止め、スザキを利用してGUYSに近付こうとしたと思われる。
CREW GUYSを怒らせて一般人に暴力を振るおうとするところを映像に収める予定だったが今回はスザキによって阻止されている。ここで最も感情を露わにしたのがミライだったので、後の「脅威のメビウスキラー」ではミライを標的にし、その流れで「エースの願い」ではミライの正体がメビウスだと知り、「皇帝の降臨」ではメビウスとGUYSを標的に色々と動くようになる。
主人公側から見ると怪獣や宇宙人より憎まれた存在となった悪人ヒルカワだが冷静に考えるとかなり度胸がある事が分かる。
CREW GUYSの和やかな雰囲気のせいで考えにくいが、実はGUYSは過去のデータを隠蔽したり情報操作を行ったりしている。メモレイサーのように記憶を操作するメテオールもあるので、実は『ネクサス』のTLTに引けを取らない危険な組織だったりする。そんな組織に単独で喧嘩を売るとは見上げた度胸だと思う。

 

スザキがコノミを裏切った事を知ったミライは珍しく感情を露わにする。
振り返れば、これまでの『メビウス』には悪意を持った人間は殆どいなかった。トリヤマ補佐官は嘘を吐いたりするがまだ可愛いものだし、リュウは酷い事を言うが悪気は無い。
人間に対して、ある種の理想を抱いているのはミライの良いところである反面危うい部分とも言える。

 

今回初出のアウト・オブ・ドキュメント。MAC全滅後に確認された怪獣はこのドキュメントに収められるらしい。

 

ノーバがマケットノーバを出してメビウスとCREW GUYSを出撃させた隙にフェニックスネストを襲撃する。そこでメビウスはテレポーテーションで移動するが、それによる体力消耗こそがノーバの本当の目的だった。
『初代マン』の「科特隊宇宙へ」みたいに別の星から地球に帰還するのならともかく、今回のマケットノーバと本物のノーバの出現位置がテレポーテーションを使ってまで移動しなければいけない距離には見えなかった。これならガンフェニックスに乗って帰還した方が良かった気がする。フェニックスネストにも迎撃システムが備わっているわけだし。
又、コノミがミクラスを出撃させていたが、メビウスのいない場所でも戦力を展開できるのがマケット怪獣の利点なので、コノミがミクラスでノーバを足止めしている間にガンフェニックスが帰還すると言う展開でも良かったと思う。

 

円盤生物ノーバ再登場。後にエンペラ軍団が新たな円盤生物のロベルガーを送り込んでいるので、ノーバもエンペラ軍団からの刺客だったと考えられる。
死を呼ぶ赤い暗殺者!」にあった人間の精神に付け入り凶暴化させる能力は今回使われていない。ひょっとしたら、この能力は心が荒んでいたトオルとリンクする事で使えるようになっていたのかもしれない。
ただ、これでは今回登場する怪獣はノーバでなくても支障が無かったとなる。ドラマもノーバと全く関係無く進むので、今回の話にノーバが再登場する理由が見出せなくなってしまっている。せっかく31年振りに再登場したのに、設定も能力も生かされず、ただ名前とデザインだけが使われたと言うのは残念。

 

ウルトラマン好きに悪い奴はいない」byジョージ。
ところがどっこい、『ウルトラマンR/B』ではウルトラマンオーブダークと言うウルトラマン好きが高じて厄介な奴になったキャラが出てくる。

 

ヒカリが去り、一人で地球で戦うようになって早数ヶ月。CREW GUYSの仲間達との絆を感じるミライであったが、そこにウルトラサインで光の国への帰還命令を受けるのであった。