「人間採集 ーレイビーク星人登場ー」
『ウルトラマンティガ』第13話
1996年11月30日放送(第13話)
脚本 河崎実・村石宏實
監督・特技監督 村石宏實
誘拐宇宙人レイビーク星人
身長 ボス・225cm 部下・220cm
体重 ボス・135kg 部下・130kg
P413星雲からやって来た宇宙人。
自分達の星にも人間によく似た動物がいて奴隷として使っていたが、それらが絶滅の危機に瀕したので地球人をその代わりにしようと考え、縮小光線銃で人間を捕らえた。今回の調査を終えたら大部隊で人間狩りをする予定だった。
30年前に機能停止して今はカラスが飛びかうゴミ処理場を秘密基地にしていたが、手下は突入したGUTSに倒され、ボスは縮小光線銃でティガを縮小するも自由に巨大化できるティガには無意味で結局はティガ・パワータイプに追い詰められ、最後は宇宙船に乗り込んで攻撃するがティガ・スカイタイプのランバルト光弾で宇宙船を爆破された。
その後、ホリイが縮小光線銃を分析して縮小された人間は元に戻った。
名前の由来は「raven(ワタリガラス)+ beak(くちばし)」から。
シンイチは「カラス人間」、ムナカタリーダーは「クロウ人」と呼称した。
物語
シンジョウの従兄弟であるシンイチはカラス人間が人を消し去る場面を目撃し、自分も消し去られてしまう。
消し去られた人々を救出する為、GUTSはカラス人間の秘密基地に突入する。
感想
特別チームへの入隊を希望する少年が宇宙人の暗躍を目撃して事件に巻き込まれると言う昭和のウルトラシリーズのような展開。
「閉ざされた遊園地」と同じく今回もゲストの子供と交流するのはダイゴではなくてシンジョウなのだが、シンジョウがシンイチを救出しようとして自分も捕まってしまったのに対してダイゴはレイビーク星人を倒すなど大活躍であった。さすがは主人公。
今回のムナカタリーダーは冒頭でダイゴにマッサージをしてもらい、ラストもレナにマッサージされていて、なんだかお父さんみたいだった。
今回からデ・ラ・ムとスタッグが登場。
シャーロックとデ・ラ・ムはレーザー砲でレイビーク星人の宇宙船を攻撃。他にも縮小光線を乱反射させるバリアーカートリッジ等、GUTSのメカが活躍している。
今回は珍しい特別チームによる敵基地突入がある。
人間と人間大宇宙人によるバトルはウルトラシリーズでは久し振り。
二人一組で行動して、一人がバリアを張って、もう一人が横から攻撃するのが格好良かった。
なんと今回はティガも人間大で戦っている。
「怪獣が出てきた日」と同じくスパークレンスを胸の前で光らせると人間大での変身となっている。
今回は人間大なのでいつもよりスピーディーなバトルになっている。
廃墟を舞台にボスと複数の部下を相手にする構図は『仮面ライダー』が頭に浮かぶ。
レイビーク星人は巨大化する事無くティガに倒されている。これは『帰マン』以降ではかなり珍しい。
ムナカタリーダーがティガの名前を呼ぶとホリイがつい上を見上げるが目の前に自分達と同じ大きさのティガがいる事に驚くのが細かくて良かった。
今回のティガはかなり長時間戦っていて、変身してからカラータイマーが点滅するまで約4分、変身してからレイビーク星人を倒すまで約7分となっている。
殆ど人間大だったのでエネルギー消費が少なかったのだろうか。
ホリイはレイビーク星人の縮小光線銃を分析できたらしいが、それならこの後の敵を縮小してしまう事も可能だったのでは?と言うのはちょっと意地悪な意見かな。縮小に使われるエネルギーが特殊で実用化は難しかったとしておこう。
銃で人間を縮小させてしまうのは『初代マン』の「人間標本5・6」、人間を自分達の星の奴隷にしようとするのは『セブン』の「第四惑星の悪夢」を思い出させた。その他にも人間大のティガのバトルや巨大化せず宇宙船ごと倒されてしまったレイビーク星人も『セブン』を思い出させるものであった。
今回と次回の話では村石監督が脚本・監督・特技監督の全てでクレジットされている。これは「うたかたの…」の川崎監督より早くウルトラシリーズ初となっている。(もっとも今回の村石監督は他の人の脚本を手直しした結果でクレジットされているので、一人で脚本を書いた川崎監督とは状況が異なるが)
脚本の河崎実さんは後にアニメ『怪獣酒場 カンパーイ!』を担当している。