帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「アキトの約束」

「アキトの約束」
ウルトラマントリガー』第5話
2021年8月21日放送(第5話)
脚本 根元歳三
監督 武居正能

 

破壊暴竜デスドラゴ
身長 66m
体重 6万t
6年前に現在の人類の前に初めて姿を現した怪獣で「始まりの怪獣」と呼ばれている。
6年前の戦いでシズマ会長が操縦するガッツウイングの攻撃で右の角を失って退却し、時を経てクララシティに現れるがトリガーの反撃を受けて再び退却した。
名前の意味は「デス・ドラゴン(死の竜)」かな。
『タイガ』の「バディゴー!」に登場したヘルベロスの着ぐるみを改造している。

 

破壊闇暴竜デスドラゴ
身長 66m
体重 6万t
トリガーに撃退されたデスドラゴがカルミラに闇の力を与えられてパワーアップした。
ダーゴンがユザレ(=ユナ)を確保するまでの時間稼ぎをするが最後はトリガー・スカイタイプのランバルトアローストライクで倒された。

 

物語
6年前に現れた始まりの怪獣デスドラゴが再び現れた。
デスドラゴを目の前にして冷静さを失うアキト。
デスドラゴはアキトの両親の命を奪った怪獣だった。

 

感想
『トリガー』の世界で現在の人類が初めて遭遇した怪獣デスドラゴが登場した事でこの世界について色々な事が分かる話となっている。

 

デスドラゴが現れた「クララシティ」は『ティガ』の「石の神話」に登場した久良々島が元ネタと思われる。因みにデスドラゴもガクマも「その世界で初めて確認された闇とは無関係な地球怪獣」と言う共通点がある。

 

命令違反を犯して謹慎処分を受ける展開を久し振りに見た気がする。

 

怪獣の出現を予期していた政府は極秘裏に開発していたガッツウイングでデスドラゴと戦ったと言うのは表向きで、実際は超古代の石版から怪獣や闇の巨人の存在に気付いたシズマ会長が世間に働きかけたが相手にされず、数少ない理解者と共にシズマ財団がガッツウイングを開発し、そのガッツウイングを操縦してデスドラゴと戦ったのもシズマ会長自身であった。
シズマ会長の訴えを無視した為に怪獣対策が用意できず被害が拡大したとなったら大きな責任問題になるので情報操作をして政府は出来る限りの用意をしていたと言う形にしたと思われる。
シズマ会長はそれを望んではいなかったと思うが、結果としてデスドラゴによって大きな被害が出た事でそれを予期していたシズマ会長の発言力がかなり増した可能性はある。

 

アキトは両親が生きていた頃から天才と呼ばれていて両親と一緒に世界を守る為の研究に取り組んでいたらしい。因みにアキトは現在18歳なので、12歳の頃には既に天才と呼ばれて世界を守る研究に取り組んでいた事になる。若い天才が度々登場するウルトラシリーズであるがさすがに小学生の頃から世界を守る研究に取り組んでいるのはアキトくらいかな。

 

「スマイルスマイル♪」でいつもキラキラキャピキャピしているイメージがあるケンゴだがアキトを説得する時は笑顔が少なく声も低くて抑え気味であった。トリガーの正体と合わせて考えると実はこちらの方が彼の素なのかもしれない。

 

ユナとの約束をアキトに思い出させる為にケンゴは花言葉が「約束」である白いバラを用意する。これは花を作って育てている彼ならではの説得だった。又、回想の約束の場面でユナが着ていた服も白だったりする。
因みにケンゴ役の寺坂頼我さんの祭りnine.でのテーマフラワーは「バラ」だったとの事。

 

ユナがアキトに言った「お父様が言ってた。頑張れば誰だって光になれるって。一緒に頑張ろう。アキト君」は綺麗事すぎる言葉に聞こえるが、シズマ会長が『ティガ』の「輝けるものたちへ」を経験していると考えると、この綺麗事すぎる言葉が実は実体験から出た言葉である事が分かる。

 

両親を失って絶望に陥ったアキトを立ち直らせたのはユナの存在だった。なので、ユナもケンゴも「世界を守る」なのだがアキトだけは「ユナを守る」となっている。
ウルトラシリーズの特別チームは公的な組織である事が殆どなのでそこに関わる人達の目的も「人々を守る」とか言う公なものが多く、アキトのように「ある特定の人物を守りたい」と言う個人的な理由が強いのは大変珍しい。

 

(約束する。俺はユナと一緒に戦う! そして俺も守る! 俺が守るのはユナ! 俺はユナの笑顔を……)
「守るんだー!!」。
青春だねぇ。

 

未来への飛翔」でのダーゴンは常に巨人の状態で同じ巨人であるトリガーしか相手にしておらず人間は眼中に無かった。しかし、今回はユザレ(=ユナ)を生きたまま確保する事が目的なのでユナが建物の中に逃げ込むと人間と同じ大きさになって建物の中に入っていった。
人間と同じ大きさになったからか今回のダーゴンは人間であるユナやアキトを戦う相手としてちゃんと見ていて勇気ある者と評して礼儀として手を抜かずに戦う事を宣言する。そして最終的に自分に一撃を食らわしたユナの存在に心を掻き乱される事になる。

 

アキトもユナも最初は武器を使って戦い、それを弾き飛ばされると今度は素手で戦う。
この展開自体は昔からあるのだが、さすがに闇の巨人を引っぱたいた人間は今までいなかったと思う。この最後は気合いと根性で戦う!と言うのは『ティガ』と言うより『ダイナ』に近い。(『ティガ』だとホリイ隊員が「人間舐めたらアカンでぇ!」と言っているが)

 

カルミラから与えられた闇の力を使うデスドラゴ。その力を受け止めていたケンゴは「そうだ!」と閃くとデスドラゴの攻撃を吸収して自分の力に変えてしまう。この「闇の力を自分の力にする事が出来る」は『ティガ』の『THE FINAL ODYSSEY』でティガが披露したもので、この事からトリガーと闇の巨人の力は共通したものである事が分かる。

 

今回の話でアキトは初めてケンゴの名前を呼んでいる。ベタだけど良いね、こういうの。

 

 

「天才高校生」
『ナースデッセイ開発秘話 ~特務3課奮闘記~』第5話
脚本 足木淳一郎
監督 村上裕介

 

「お前ら、ろくなアイデア出さないんだし、開発は優秀な人に任せて作る事にだけ集中しとけ」。
キツい言い方だけれどテルミちゃんの言っている事が正しい。ホッタさんって無から有を作るより既にあるものに工夫を加えたり、自分で方向性を決めるより誰かのサポート役をしたりする方が合っている感じがする。