帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「激闘! 怪獣島」

「激闘! 怪獣島 ーネオザルス クローンシルバゴン クローンシルドロン ハネジロー登場ー
ウルトラマンダイナ』第16話
1997年12月20日放送(第16話)
脚本 川上英幸
監督・特技監督 村石宏實

 

ハイパークローン怪獣ネオザルス
身長 73m
体重 7万t
オオトモ博士がザリーナ地帯の地図にも載っていない島の地下で発見した怪獣に様々な怪獣の遺伝子を組み込んで仕上げた最強の怪獣。スーパーGUTSとクローンシルバゴンに研究所を破壊されそうになったのでハネジローの知的遺伝子を組み込む前に出撃させる事となった。
クローンシルバゴンをパワーで圧倒し、ジャイアントスウィングの後、胸から発するホーミングビームで倒した。しかし、そのまま研究所も破壊してしまい、さらにオオトモ博士も踏み殺してしまった。
ダイナ・ストロングタイプに自分のホーミングビームを利用されて尻尾を失い、最後はガルネイトボンバー・シューティングバージョンでホーミングビームを押し切られ、そのまま倒された。
禁断の地上絵」のデキサドルの着ぐるみを改造している。

 

剛力怪獣クローンシルバゴン
身長 67m
体重 7万6千t
オオトモ博士の遺伝子操作によって作られたクローン怪獣。
レーニングでクローンシルドロンを尻尾攻撃で圧倒するが、ネオザルスとの戦いでは逆にパワーで圧倒されホーミングビームで倒された。
角が青くなり、体が一回り大きくなっている。動かないものも認識できるようになった。
『ティガ』の「虹の怪獣魔境」のシルバゴンの着ぐるみを改造している。

 

変異昆虫クローンシルドロン
身長 64m
体重 4万7千t
オオトモ博士の遺伝子操作によって作られたクローン怪獣。
クローンシルバゴンの尻尾攻撃であえなく倒されてしまった。
体色が赤紫色になり、体が一回り大きくなった。
ウイニングショット」のシルドロンの着ぐるみを改造している。

 

迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm
体重 5kg
メラニー遊星で保護された後、TPC生物工学研究所で飼育されていた。
オオトモ博士によると、人間で言えば小学二年生程度の知能を持っていて、動物が常に持っている凶暴な本能をまるで持ち合わせていないとの事。
オオトモ博士によってザリーナ地帯に連れ去られて知的遺伝子を汲み取られそうになるがスーパーGUTSに救出された。

 

物語
ハネジローがオオトモ博士に連れ出されて行方不明に。
スーパーGUTSはオオトモ博士の専用機が消息を絶ったザリーナ地帯に向かうが、そこにはかつて倒されたはずの怪獣達が存在していた。

 

感想
ハネジロー再登場。
凶暴な本能を持っていない事からハネジローは平和な星で生まれ育ったと考えるナカジマだが、「さらばハネジロー」で明かされたファビラス星の事実を考えると育ち云々ではなくハネジローの元々の性格だと思われる。

 

ハネジローについて話をしている時は普通に笑っていたオオトモ博士が後に豹変したのは驚いた。
『ティガ』のヤオ博士は悪人風に登場して目的が判明したらいきなりいい人になったが、オオトモ博士はいい人風に登場して目的が判明したらいきなり悪人になった。根っこの部分は似ているオオトモ博士とヤオ博士で全く正反対の描かれ方になっているのが興味深い。

 

今回は『初代マン』の「怪獣無法地帯」と「謎の恐竜基地」を合わせたような話になっている。
強力な磁場に覆われているザリーナ地帯と言う設定を使って成立した平成の怪獣島。
シルバゴンとシルドロンによる久々の怪獣対決が見られる。
キングコングのマネをしたり岩を放り投げたりとシルバゴンは今日も平成のレッドキングであった。
続くネオザルスとシルバゴンとの戦いは尻尾の引き合いと言う珍しい趣向があった。
ネオザルスは格納庫に収容された姿が生物兵器らしくて良かった。あのシルバゴンをパワーで圧倒する事で強さが存分に描かれていた。

 

恐竜の名前に多く使われる「saurus」だが「ザウルス・サウルス」ではなく「ザルス」と言う名前のネオザルス。かなり珍しいネーミングだと思う。(オオトモ博士の発音だと「ネオザウルス」に聞こえるけれど……)

 

「人間と怪獣が共存出来る関係になれたら、人間の言う事を素直に聞く巨大怪獣がいたとしたら、人間にとって危険な環境で作業させたり侵略者を撃退させたりと人間を楽にする事が出来る」と語るオオトモ博士。
それは人間と怪獣の「共存」ではなくて人間による怪獣の「支配」ではないだろうか。『コスモス』のノワール星人と同じだと思う。ネオフロンティアの一環として人間にとっては有意義である事は分かるが。
ナカジマは水槽に閉じ込められたハネジローを見て「虐待」と言ったが、そう思えるかどうかで「共存」か「支配」かに分かれる気がする。

 

ハネジローの知的遺伝子をネオザルスに組み込もうとしたオオトモ博士。
もしネオザルスにハネジローの知的遺伝子が組み込まれていたら、ネオザルスはハネジローみたいな仕草をするようになっていたのだろうか? ちょっと見てみたかったかも。

 

いつの間にか消えたヤマザキ助手。
普通にTPCに捕まったと思っていたので「青春の光と影」に再登場したのは驚きだった。

 

最後のハネジローの死んだふりは誰の案だったのだろう? コウダ? ナカジマ? ひょっとしてハネジロー?